「自律神経」は生命維持を担っている
自律神経とは、内臓を動かす・代謝や体温を調節するなど、私たちが意識的に行うことのない生命維持のためにさまざまな働きをコントロールするものです。
そして自律神経は、日中や活動している時に活発になる「交感神経」と、夜間や寝ている時に活発になる「副交感神経」に分かれます。「交感神経と副交感神経」の関係は、「覚醒と休息」や「アクセルとブレーキ」の関係をイメージするとわかりやすいでしょう。
私たちがストレスを感じると「交感神経」が強く働いて、呼吸が浅くなる、身体が緊張する、血圧が上がるなど、いわば臨戦態勢に入ります。通常なら、しばらくすると休息を担う「副交感神経」が働くようになりますが、長時間ストレスにさらされたり、あるいは短時間でも強いストレスを受けたりすると、この切り替えがうまくいかなくなってしまうのです。
自律神経が乱れると、身体も心も疲れてしまう
自律神経が乱れる原因はさまざまで、環境やライフステージの変化、人間関係の悩み、仕事や家庭のプレッシャー、働き過ぎ、昼夜逆転の生活など、特に「ストレス」と「生活習慣の乱れ」の影響が大きいと考えられています。
さらに、ホルモンバランスが乱れることで、自律神経も乱れることがあります。特に女性は更年期に入るとホルモンバランスに変化が生じますから、身体や気持ちの不調を感じたら、気分転換や休息を意識的にとることが大切です。次項ではセルフケアの方法をご紹介するので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
以下は、自律神経の乱れによる不調の例です。更年期や不定愁訴と重なる部分が多く、ご自身で原因を特定するのは困難ですから、症状が続く場合は、専門医に相談することを検討してみましょう。
不定愁訴や更年期については下記の記事でも詳しく説明しているので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
自律神経が調うセルフケア5選 自分にあった方法を見つけよう!
自律神経の乱れを招くストレスのケアは、早め早めが肝心です。気分転換の方法をたくさん用意しておいて、その日のストレスはその日のうちに、できるだけ解消しておきましょう。ここでは、自律神経を整えるために役立つ、効果的なセルフケアをご紹介します。
■体内時計をうまくリセットする
規則正しい起床と睡眠はとても大切。光には、交感神経と副交感神経を切り替えるスイッチの役目があります。起きたらカーテンを開け、寝る前には照明を暗くして、体内時計を調整しましょう。
■血流を滞らせないよう意識
血流の滞りは自律神経に影響を与えます。逆もしかりで、血流を良くすることが、自律神経を整えることにつながります。温かいものを飲食する、手・足・おなかを冷やさない、デスクワーク中は1時間に1度は立ち上がってストレッチ(肩を回したり、背伸びをしたり、簡単なものでOK)など、こまごましたケアが効果を発揮します。
■「香り」を生活に取り入れる
集中したい時、心を落ち着けたい時、スッキリしたい時、シーンによって香りを変えると気分も変わります。緊張が続くと交感神経が優位となって呼吸が浅くなりますから、良い香りを胸いっぱいに吸い込んで、積極的に緊張をほぐしていきましょう。
■デジタルな情報から離れる時間をつくる
手放せないスマホがストレス要因になっていませんか?あふれかえるデジタルな情報から適度な距離を保って、不要なストレスを避けましょう。
■一日の終わりを、短時間のヨガで締めくくる
ストレッチは、血流促進や快眠に効果的。もちろん自律神経の乱れによる不調にもおすすめできます。寝る前の短時間でできる、「リセット家ヨガ」を試してみませんか?
女性は40代頃を境に、これまで経験したことのない不調を感じたり、寝れば治っていたような不調が長引いたり……心身の変化に戸惑ってしまいますね。ここでご紹介したストレスケアや気分転換をうまく取り入れて、自分を大事にしながら向き合って、乗り越えていきましょう。