忙しい1日、寝る前の家ヨガで体をリセット
■時間のない方も挑戦しやすい「寝る前の家ヨガ」

ヨガと言えば朝早起きして、たっぷりと時間をかけて取り組むもの……と思っていませんか?実は、仕事や子育てに忙しく、自分の時間をゆっくり取れない方にも取り組みやすいヨガもあるんです。それが、「寝る前にベッドの上でやるヨガ」。良い具合に体も温まるので、これからの寒い季節、快眠するためにも役立ちます。ではさっそく、お正月太り解消にも効くおすすめのポーズをいくつかご紹介しましょう。
1日の終わり、おやすみ前のあなたを整えてくれるポーズ
■心も身体もリラックスさせるポーズ
リラックスするためには緊張と弛緩(しかん)のバランスが大切です。まずは全身の筋肉をしっかりと使って体を緊張させ、ポーズから離れた後のゆったりとした呼吸で、全身の筋肉を弛緩させ、リラックスの源である副交感神経を優位にすることができます。その時に身体の感覚もぜひ味わってみてください。
手順
1:うつ伏せから肩の下に肘をつき、つま先を立て、肘から先とつま先だけで体を支えます。おなかの下には枕かクッションを入れてギリギリおなかがつかないようにして「ベビープランクポーズ」をとります。息を吸って吐いて(1呼吸分※以下同様)を5回繰り返し、それを3セット行います。

2:うつ伏せになり、5回分腹式呼吸をします。

POINT
ベビープランクポーズを取る際は、体を一直線にキープするよう意識しましょう。おなかの下に枕などを置くことでより腹式呼吸を意識しやすくなります。
■寝つきを良くするポーズ
血流を促すことで体を温め、寝つきやすくするポーズです。
<手順>
1:仰向けになり、足先を真上まで上げてそのまま軽くブラブラさせます。20~30秒は行ってみましょう。
2:ブラブラさせた後は、手足を下ろして足首を回したり、足の指を開いたり閉じたりを10回ほど繰り返してみましょう。

POINT
リラックスした状態で行いましょう。また足を上げるために踏ん張ったりして、呼吸を止めてしまわないようにしましょう。
■自律神経を整えるポーズ
内臓を活性化し、自律神経を整えるポーズです。ウエストのくびれを作る効果も◎。
<手順>
1:仰向けになり、両手は後頭部に置き胸を広げます。ひざを曲げたら右足を左足の上に椅子で足を組むように重ね、両足をゆっくり左側へ倒し5~10回呼吸します。

2:戻したら今度は左足を右足の上にクロスし、両足を右側に倒し5~10回呼吸します。

POINT
両肩は床にしっかりつけて、浮かないようにします。ひざを真横に倒し切れない場合は、腰に負担がかからないように床との間に枕やクッションなどを挟んでサポートしましょう。
今日も1日、頑張った体を癒やしてくれるポーズ
■肩こりを和らげるポーズ(バッタのポーズのバリエーション)
肩こり解消、背筋を強化することで姿勢改善、腰痛予防が期待できます。
<手順>
1:おなかの下に枕やクッションを置いてうつ伏せになり、両手の指をお尻の上で組みます。
2:そのまま上体を起こし、5回呼吸をする間その姿勢をキープ。
3:1~2を1セットとして、3セット繰り返します。

POINT
上体を起こす際は腰を反らすのではなく、肩甲骨を真ん中に寄せて背中の上部の筋肉を使っているのを感じながら行います。枕やクッションを置くことでより上体が起こしやすくなりますが、やりにくい場合は位置を調整してみるか、おなかの下に何も置かずに行うのも良いでしょう。
■腰痛を和らげるポーズ
股関節、お尻周辺の筋肉をほぐすことで、骨盤周りの強張りが軽減し、腰痛改善が期待できます。
<手順>
1:仰向けになり、片ひざを曲げて両手で胸に抱えるようにし、反対側の足はできるだけまっすぐ伸ばします。5回呼吸したら反対側の足も同様に行いましょう。

2:仰向けのまま両ひざを曲げ、握りこぶしを作り、仙骨(せんこつ)を挟むようにお尻の下に入れて、両ひざを左右にパタパタ10回倒します。握りこぶしの位置を変えながらお尻全体をほぐしましょう。

POINT
握りこぶしを置く位置はこの画像を参考にしてみてください。

■腰痛を予防するポーズ(鍵穴のポーズ)
お尻の周りの筋肉をほぐし、股関節の可動域を広げるポーズです。坐骨神経への圧迫を緩めて、腰痛を防ぐ効果が期待できます。
<手順>
1:仰向けになり、右ひざを立て、ひざの上に左足の外くるぶしを置くようにする。
2:両足で作った穴に左手を通し、ひざ~ももの裏で両手を組む。
3:息を吐きながら組んだ両手でゆっくり両足を胸のほうへ引き寄せ、5~10回呼吸をキープします。同様に反対側の足でもやってみましょう。何セットもやらずに1回でよろしいかと思います。

POINT
股関節やひざが痛む場合は、無理に寄せないようにしてください。ひざ~ももの裏で両手を組む代わりに、タオルなどを当てて両端を手で持ち、より緩く伸ばせるようにしてみましょう。ひざ裏に手を持ってこられる方は手の指でひざの裏もマッサージすることで、むくみ改善も期待できます。
「毎晩6つ全部のポーズをやるのはちょっと大変かも……」と思った方は、どれか1つか2つのポーズで良いのでまずは始めてみましょう。継続していくことで、寝つきが良くなったと感じたり、起きた時の身体の変化を感じたりすれば、自然にもっと増やしてみたくなるかもしれませんよ。ただし、寝る前の激しい運動はかえって安眠を妨げてしまうので、調子が出てきてもやり過ぎないように注意しましょう。
また、終わった後には仰向けで自然な呼吸をしながら身体の声に耳を傾け、ぜひご自分の身体に良い言葉をかけてあげましょう!
寒い季節は特に体が凝り固まりやすいですから、無理をせず、ケガのないよう徐々に体を慣らしていってくださいね。
さらに、二の腕や肩こり、ヒップアップなどの効果が期待できるヨガのポーズをご紹介している記事もありますので、ぜひこちらもご覧ください。
- ●監修者
Ayako先生 -
友人に誘われてなんとなく始めたヨガだが、続けることで生活の質が良くなることに気づきヨガをすることが習慣となる。スポーツクラブを中心にヨガを指導するなかで、身体のケアだけでなく心のケアにも興味を持ち「ヨーガ療法」も勉強中。