あなたも「反り腰」かもしれない?
■反り腰とは?
腰は自然な状態でもやや反っているものですが、反り過ぎて、骨盤が前に傾いている状態を「反り腰」と言います。おなかを突き出すような姿勢で腹筋に力が入らないので、おなかに脂肪がつきやすくなります。加えて内臓の位置も下がるので下腹が出てきます。
また、反り腰が慢性的な腰痛や首・肩の凝り、むくみなどを引き起こすこともあるのです。
■まずは反り腰セルフチェック!
仰向けのラクな姿勢で寝てみる
腰の下にこぶし1つ分よりも隙間がある場合は、反り腰の可能性が高いと言えます。
壁に背を向けてまっすぐ立ち、壁につくまで後ろに下がってみる
壁に対して、後頭部、腰、かかとがどのような状態かによって、4つの姿勢の判断ができます。
■大人女性は反り腰も治りにくくなる?
女性に多いと言われる反り腰。特に筋肉量が下がり始める大人女性は、反り腰を改善し、キレイな姿勢を保つための筋肉が不足しやすく、治りにくいと言われます。だからこそ、適切なストレッチや筋力トレーニングが欠かせないというわけです。
反り腰の原因
反り腰になってしまう原因はいくつか挙げられます。
■腰の筋肉の使い過ぎ
重いものを持つ機会が多かったり、長時間の立ち仕事が多かったりすると、腰の筋肉が常に緊張した状態になるため、反り腰になりやすいと言われます。
■インナーマッスルが使えていない
上半身と下半身をつなぐインナーマッスル「腸腰筋」が正しく使えていないと、腰の表面の筋肉だけで腰椎(脊椎のうち腰の部分)を支えることになり、反り腰になりやすいと言われます。
■腹筋が弱く、背筋とのバランスが崩れている
腹筋が弱ってしまうと、腰椎を前方から支える力が不足して、後方から支える背筋とのバランスが崩れ、反り腰になりやすいと言われます。
■胸の張り過ぎ、重心が前に傾いている
高いヒール靴を履いたり、妊娠を経験したり、胸を張り過ぎたりすることで、つま先のほうに重心がかかる姿勢が身についてしまうと、骨盤が前傾し、反り腰になりやすいと言われます。
反り腰改善ストレッチ
ここからは、反り腰改善を意識したストレッチ法をご紹介していきます。
運動に慣れていない方は無理せず、自分のペースで少しずつ負荷を高めていきましょう。
■前屈
<立って行う場合>
1:両足を肩幅程度に広げて立ち、上半身を前に倒しながら両手を床へ向かって伸ばします。
2:体力テストの立位体前屈(りついたいぜんくつ)の要領で、指先ができるだけ床に近づくようにし、元の姿勢に戻ります。
3:まずは1日5~6回ずつを3セット、慣れてきたら4セット、余裕が出てきたら10回ずつを3セットに挑戦してみましょう。
<椅子を使う場合>
椅子を使う場合は足の間(真ん中)に手を置き、置いたところを軸に上半身を90度倒し、元の姿勢に戻ります。1日10回程度やってみましょう。
POINT
立って前屈する場合は、体力テストの立位体前屈と同様に、膝を曲げないよう意識します。椅子を使う場合は腰が反ってしまわないように意識しましょう。
■前ももを伸ばす
<床で行う場合>
1:両足を伸ばして床に座り、片膝だけ曲げて前ももを伸ばす。
2:そのまま上半身を仰向けに倒していき、倒しきるか、無理のない角度で30秒キープします。
3:反対側も、同じように伸ばします。1日に左右1セットずつやってみましょう。
<椅子を使う場合>
椅子を使う場合は、横向きで片膝をかけるように腰かけましょう。反対側の足を後ろに大きく引き、腰かけた側に体重をかけて前ももを伸ばし、20秒キープします。これも1日左右1セットずつやってみましょう。
POINT
床でやる場合は腰が反らないように意識します。椅子を使う場合も背中を伸ばす(反らない)ようにしましょう。
■腰を丸める
1:床に仰向けになり、両脚を抱えます。
2:太ももから膝を上半身へ丸め込むイメージで体を丸め、30秒キープします。1日1回でOK。
POINT
膝を引き寄せるのではなく「腰を丸める」ことを意識してみましょう。
今回は、ごく初歩的な反り腰のセルフチェックや、ストレッチ法などをご紹介しました。ただし、体に関することは自己判断や、セルフケアだけでは改善しきれないこともあります。ストレッチを続けても腰痛などが改善しない場合は、一度専門家に相談して、客観的に見てもらうことも考えてみましょう。