お茶がダイエットに良い理由
ドラッグストアやネットショップなどでよく目にする「ダイエットティー」。インパクトのあるネーミングに惹かれたりしますが、身近なところで手に入る緑茶や烏龍茶にも、脂肪の燃焼を助けたり、脂肪の吸収を抑える効果が期待できる成分が含まれています。また、ほとんどのお茶はカロリーゼロです。
さらに、温かいお茶を飲むと心が落ち着き、ストレスによる食べ過ぎも防ぐことができます。血行も良くなるので、むくみの改善や代謝アップにも役立つでしょう。
ルイボスティー、プーアル茶、黒豆茶、ごぼう茶、ジャスミンティーなど……ダイエットに良いと言われますが、具体的にどんな効果が期待できるのか、具体的に見ていきましょう!
目的&体質で選ぶダイエットにおすすめのお茶
お茶ダイエットを成功させるための秘訣は、自分に合うお茶を選ぶこと。太ってしまう原因は人それぞれなので、生活習慣も含めて、目的や体質に合うお茶を選びましょう。
■脂肪を効率良く燃やすなら「緑茶」
年齢を重ねると代謝が低下し、脂肪が燃えづらくなります。若い頃に比べて、ダイエットをしても痩せにくくなったと感じている方は、緑茶を試してみるのがおすすめ。
緑茶に含まれる「茶カテキン」には、脂肪の分解と燃焼を促進する働きがあります。脂肪が燃焼されるとエネルギーが生まれるため、緑茶を飲むと持久力がアップするという報告も。運動時の水分補給は緑茶が良いかもしれませんね。
また、茶カテキンは食後の血糖値上昇を抑える作用もあります。血糖値が上がると脂肪の蓄積が進むので、甘いものを食べる時にも緑茶がおすすめ。さらに、茶カテキンを継続的に摂ると、食事に含まれる脂肪も燃焼しやすくなり、食事に伴う消費エネルギーが増えるとされています。
【こんな方におすすめ】
・年齢を重ねるごとに痩せにくくなったと感じる
・ダイエットのために運動をしている
・甘いものが好き
■脂肪の吸収を抑えるなら「烏龍茶」、「プーアル茶」
脂肪はエネルギー源として重要ですが、摂りすぎはNG。揚げ物などの脂っこい料理はもちろん、クリームたっぷりの洋菓子やチーズにも脂肪分が多く含まれています。そのような食べ物を食べる時には烏龍茶やプーアル茶がピッタリです。
烏龍茶やプーアル茶に含まれる「重合型ポリフェノール」には、脂肪の吸収を抑制する働きがあるため、食事中に飲むと良いでしょう。食事で摂った脂肪はリパーゼという酵素によって分解されてから吸収されますが、重合型ポリフェノールには、この酵素の役割を邪魔する働きがあります。
また、夜間は脂肪の蓄積を促すBMAL1遺伝子が活性化します。つまり、夜にたくさん食べる方こそ、烏龍茶やプーアル茶を飲むことで、重合型ポリフェノールの効果を感じやすいというわけです。
【こんな方におすすめ】
・揚げ物、洋菓子、チーズが好き
・夜遅くに食べることが多い
・夕食のウエイトが大きい
■食べ過ぎを防ぐなら「ジャスミンティー」
おなかが空いているわけでもないのに、お菓子を食べ始めたら止まらなくなることはないでしょうか?それは、ストレスを感じた時に分泌が増えるコルチゾールのせいかもしれません。コルチゾールは血糖値を上げるホルモンで、食欲を増進する作用があります。
イライラ、モヤモヤして何か食べたくなった時は、ジャスミンティーを飲んでリラックスしましょう。ジャスミンティーの香りには、鎮静効果のある「リナロール」や「ベンゼルアセテート」などの成分が含まれており、ストレスで食べ過ぎてしまうのを防ぐ効果が期待できます。
【こんな人におすすめ】
・仕事や家庭でストレスが多い
・おなかが空くとイライラする
また、ストレス軽減には水出し緑茶もおすすめとされています。ジャスミンティーが苦手で飲めない……という方は以下の記事を参考に水出し緑茶を試してみるのも良いかもしれませんね。
■腸活ダイエットをするなら「ごぼう茶」
便秘気味でおなかが張っている方は、腸活ダイエットに挑戦してみましょう。腸内環境が良くなると、便秘が改善されるだけでなく、太りにくくなると言われます。肌もキレイになるので、発酵食品などの腸活食材に加えて、ごぼう茶を飲んでみてはいかがでしょうか?
ごぼう茶に含まれる水溶性食物繊維の「イヌリン」は、腸内の善玉菌を増やす作用があり、腸活ダイエットを後押ししてくれる成分です。さらに、食事に含まれる糖やコレステロールの吸収を抑える働きもあるため、生活習慣病の予防にもつながります。
【こんな方におすすめ】
・便秘でおなかが張る
・腸活ダイエットをしている
・血糖値やコレステロール値が気になる
ごぼう茶は腸活だけではなく、代謝促進やデトックス効果も期待できます。以下の記事では、ごぼう茶のさらなる魅力やそのほか美容におすすめのお茶もご紹介していますので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
■むくみの予防&解消には「ルイボスティー」、「どくだみ茶」
むくみは皮膚の下に余分な水が溜まった状態で、むくみは体内の水分が滞っている状態で、さまざまな原因がありますが、塩分の摂りすぎや血行不良も挙げられます。ホットのお茶を飲むだけでも身体が温まり、血行改善が期待できますが、ルイボスティーやどくだみ茶は、塩分の排出を助ける「カリウム」が豊富。塩分と一緒に余分な水が尿として排出されるため、カリウムを含むお茶はむくみ予防に効果的です。
ルイボスティーとどくだみ茶は、どちらもノンカフェインなので、寝る前にも安心して飲めます。むくみやすい妊婦・授乳婦にもピッタリですね。
【こんな方におすすめ】
・むくみが気になる
・塩分が多い食べ物が好き
・妊娠・授乳している
むくみについては、以下の記事でも予防策やなってしまった際の対策法を解説しています。お茶の力にプラスアルファで試してみるのはいかがでしょうか?
■代謝アップを目指すなら「黒豆茶」
女性は更年期に差し掛かる頃から代謝が低下し、太りやすくなると言われます。その原因のひとつとされるのが、女性ホルモンの減少です。
黒豆茶には女性ホルモンに似た働きをする「イソフラボン」や、抗酸化成分の「サポニン」が含まれるため、更年期太りが気になっている方におすすめ。サポニンはコレステロール値を下げるほか、血行を促進して代謝をアップさせる働きがあるとされています。
【こんな方におすすめ】
・更年期以降の女性
・年齢を重ねるごとに痩せにくくなったと感じる
ダイエットに効果的な飲み方のポイント
ここまでで、自分に合いそうなお茶が何となく見えてきたのではないでしょうか。どれかひとつに絞らなくても、飲む時間やシチュエーションに合わせて選ぶのも良いですね。
たとえば、食事中は脂肪の吸収を抑える烏龍茶やプーアル茶、運動前は脂肪の燃焼を促す緑茶、寝る前はノンカフェインの黒豆茶、ごぼう茶、どくだみ茶、ルイボスティーが適しています。さまざまなお茶を組み合わせる場合も、1日1Lを目安に飲むと良いでしょう。
飲み方としては、冷たいお茶を一気に飲むよりも、ホットか常温のお茶をこまめに飲むほうが効果的です。とはいえ、お茶を飲んですぐに痩せるわけではないので、飲みやすいお茶を選び、楽しみながら続けていきましょう。
- ●監修者
上辻知津子(うえつじちづこ) -
管理栄養士・食育インストラクター。2000年からライター・編集者としてメディア制作に従事。業務を通じて食と健康に興味を持ち、2017年に管理栄養士資格を取得。現在はフリーライターとして、健康・美容系メディアを中心に執筆活動を行っている。