改めて知りたい、ファスティングってどんなもの?
ファスティングとは「一定時間、食べ物を摂らないこと」で、一般的に断食と同じ意味です。1日に摂取するカロリーが少なくなることで体重が減ることはありますが、これは一時的なものです。
直接的なダイエット効果がないのか……と残念に思われるかもしれませんが、後述するように、短時間のファスティングは正しく行えば美容と健康に役立ちます。体調を見ながら、上手にファスティングを役立てましょう。
食べ物を摂らない時間は、半日・16時間と比較的短時間のものや、月曜断食・週末断食など曜日を決めて行うもの、専門医の監修のもとで数日行うなど、さまざまです。
ファスティング(プチ断食)で期待できる効果
ファスティングで期待できるのは痩せることではなく、疲れた消化器官のリセットにあります。そうした体の調子を整える効果が、結果的に食生活の見直しや、健康を意識したうえでのダイエットに結びついていきます。
空腹の時間というのは、実はとても大切なもの。空腹状態の間は消化吸収で酷使した胃腸は休まり、排泄のための活動が活発になります。たくさん食べているのに便秘がちという方は、一度短時間のファスティングを試してみると良いでしょう。
また、ファスティングは空腹の時間をしっかり確保できるので、口がさみしくて間食を何度も摂ってしまう方や、胃腸が弱いのに脂っこいもの・味の濃いものが好きな方などにおすすめできます。働きっぱなしの胃腸を休めることで、腸内環境が整います。
大人女性のファスティングは「半日以内で終わらせる」を目安に
ファスティングとひとくちに言っても、大人女性にハードなファスティングはNGです。長時間のファスティングを達成して一時的に体重が減ったとしてもすぐに戻ってしまいますし、健康な体を維持するための栄養素が圧倒的に不足してしまうためです。
また、ハードなファスティングでは心身をはたらかせるエネルギーも不足してしまいます。足りないエネルギーは筋肉を消費することで補われるので、結果として筋肉量の低下につながります。さらに筋肉量が低下すると代謝も下がり、痩せにくい体に……これでは悪循環ですよね。
ファスティングの健康・美容効果を狙うなら、空腹を感じることが大切なので、1~2食の断食で十分です。おなかがすっきりしない時に、「半日以内」を目安に断食してみましょう。
■ファスティング中も水分補給は重要
ファスティング中も、水分補給はしっかりと。人肌くらいのお水や、カフェインの入っていない温かいお茶などがおすすめです。スムージーやジュース、カフェイン入りのドリンクなど、消化吸収が必要な飲み物は避けましょう。
■3食食べてファスティングも可能!
空腹時間を確保できれば良いので、食事を抜くことなくファスティングすることも可能です。3食のタイミングを普段より短くして、寝る前と寝ている時間をファスティングにあててみてください。
たとえば1日のうち、食べない時間を16時間確保して、残りの8時間の間に朝・昼・晩のご飯をいただけばOKです。
半日ファスティングの流れ
ここでは、日中にファスティングを行う際の流れ(ファスティング前→最中→後)を、一例としてご紹介。もちろんご自身の生活サイクルや食事習慣に合わせて調整してOKです。
■ファスティング前:タンパク質を中心に、消化の良い食べ物を摂る
ファスティング直前の食事は、消化の良い食材を軽めに摂るのがおすすめです。ファスティング中は体内のタンパク質を消費するので、タンパク質と消化の良さを意識して、具無しのおみそ汁や、温めた豆腐などがおすすめです。
ちなみに、豆腐を凍らせて乾燥させた「高野豆腐」は、豆腐がギュッと濃縮されており、豆腐よりもタンパク質・カルシウム・鉄分が豊富です。最近あまり見なくなりましたが、優秀な保存食でもあります。いずれにしろ、満腹感と素早い消化吸収のために、普段よりもよく噛んで食べましょう♪
■ファスティング中:水分補給はしっかり、無理なく過ごす
ファスティング中は、人肌くらいの水やカフェインレスのお茶を飲んで過ごします。あまりに空腹でつらいなら途中でギブアップしても大丈夫!「空腹の時間がいつもよりとれた」とポジティブに考えてくださいね。先述したとおり、就寝時間をファスティングの時間にあてることもできるので、ご自身に無理のないサイクルで実践してみてください。
■ファスティング後:消化の良い食べ物をよく噛んで食べる
ファスティング後の最初の食事は、休んでいた胃腸をびっくりさせないように、消化吸収の良いものをゆっくりとよく噛んで食べましょう。玄米や納豆、イモ類や根菜は、普段の食事には良いのですが、食物繊維が豊富で消化に時間がかかる食材のため、ファスティング直後は避けます。やわらかく茹でたうどんや、おかゆなどがおすすめです。
安全なファスティングのために、知っておきたいこと
短時間のファスティングは、疲れた消化器官やそれが原因で起きる不調を整えるのに役立ちます。その一方で、1日の栄養が偏りがち、必要な栄養が摂取できないというデメリットも……。ファスティングを行うならば、普段の3食のバランスをいままで以上に大切にしましょう。
また、ファスティング中は、空腹による貧血やめまい、イライラ、低血糖によるふらつきが起こる可能性もあります。体調の良い日や、忙しくない日を選んでください。特に夏の炎天下の屋外で過ごす日は絶対に避けましょう。
ファスティングは、上手に使えば魅力的な健康法です。普段から適量をバランス良く、腹八分目を心がけつつ、ここぞ!という時に活用してみてくださいね♪