創造力や集中力を取り戻す「デジタルデトックス」
デジタルデトックスとは、インターネットやデジタル機器が持つ負の側面から、一時的に離れようというもの。負の側面とはたとえば、用事もないのに見てしまう(時間のムダ)、イライラするとわかっているのにコメントチェック、手元にないと落ち着かない……といった行動。これらを整理するいわば「デジタル情報のお片付け」がデジタルデトックスです。
インターネットやデジタル機器から少しだけでも意識的に離れることは、普段それらを使っていればいるほどハードル高く感じますが、そういう方ほど得られる効果は大きくなります。
デジタルデトックスをすることで、以下のような効果を得られることがわかっています。
・落ち込み・ストレス・不安の軽減
・睡眠の質の向上
・目の疲労、それにともなう肩こりなどの改善
・周囲に目がいくので、五感で楽しめるように
・脳の疲労の軽減
・記憶力や発想力の向上(スマホで得る断片的な情報を遮断するため)
どのくらいなら「スマホ依存」なの?
たとえば「スマホを◯時間見ていたら依存」のような、明確な線引きはありません。「日常に支障をきたしている(もしくは、そうなりそう)」と感じるならば、後述するようななんらかの対策を打って、スマホと距離を置く時間を作りましょう。
■ネット依存度をチェックしてみよう!
インターネット依存度の程度をはかるテストには、次のような設問(※)がならびます。チェックの数が多いほど依存度が高いと言えますが、ひとつだけでも“生活に支障が出ている”のなら危険信号。思い当たる項目はあるでしょうか?
□気がつくと、思っていたより長い時間ネットをしている
□家族・友人と過ごすよりも、ネットを見たいと思うことがある
□ネットを長く利用していたために、仕事や家事をなおざりにすることがある
□周りの人から、スマホばかりみていると注意されたことがある
□ほかにやるべきことがあるのに、まず先にSNSやメッセージのチェックを優先させることがある
□日々の生活の問題や、嫌な気持ちから気をそらすために、ネットで時間を過ごすことがある
□ネットが原因で、大切な人との関係をなくしそうになったことがある
※参照
総務省『高校生のスマートフォン・アプリ利用とネット依存傾向に関する調査<速 報>平成26年5月 総務省情報通信政策研究所』を参考に、編集部で一部抜粋・調整
■どのくらいスマホを見ているか確認してみよう
1日にどのくらいスマホを見ているかや、SNSをどれだけ見ているかは、たいていの人は正確に把握できていないものです。スマホには1日の全体の利用時間や、アプリごとの利用時間が記録されているので、一度チェックしてみてください。
今日からできる、“プチ”デジタルデトックス
インターネットやスマホ利用の現状をつかんだら、まずはちょっとだけスマホと距離を置く時間を設けてみましょう。ここでは“プチ”デジタルデトックスの例をご紹介します。自分に合った方法を見つけてみてください。
最初はスマホを見られないことに不便を感じますが、そのうち生活に何の支障もないことや、なかなか快適だということに気がつくはずです。
■スマホアラームを目覚ましにしない
就寝前や起床時に、近くにスマホがあるとつい見てしまいます。寝る前には机の上などのベッドから離れた場所にスマホを起きましょう。その代わりにかわいいアラームクロックを見つけて、枕元へ。
■着信音や通知音を止める
「おやすみモード」、「おやすみ時間モード」、「ベッドタイムモード」など、端末によって機能名が違いますが、アプリ通知の音や光、電話の着信を止める機能が、スマホには付いているかと思います。睡眠時に利用するこのモードを、日中にも活用してみてください。まずは「食事の時間+食後30分」から試してみては?
■見過ぎているアプリだけ「利用時間の制限」を設定する
スマホにはアプリごとの利用時間がわかるほか、特定アプリの利用時間を制限する機能がもともと付いています。「仕事でスマホは手放せないけど、このアプリは無駄に見てしまっている」という方は、この機能を活用してみましょう。
■スマホを触れない行動を楽しむ
たとえば自転車で遠くまで行ってみたり、展覧会や映画館、スパやキャンプを楽しんだり。スマホを見られないエンタメを増やしてみましょう。スマホが気になりにくいうえ、新しい気づきも得られて一石二鳥! 行き先をスマホで調べて数時間……ということのないよう、直感で決めてみるのもアリです。
自分の感性で素直に楽しむ美術鑑賞のポイントをご紹介している記事もありますので、ぜひ参考にしてみてください。
■スマホを「物理的に」触れない場所に置く
どうしてもスマホが手放せない!という方は、「タイムロッキングコンテナ」がおすすめ。スマホを箱にいれてロックすると、設定した時間内は取り出せなくなる仕組みです。1分〜数日単位で、幅広い設定が可能です。
本家のデジタルデトックスは、アメリカ発祥。シリコンバレーなどの最先端都市があり、デジタル化が進んでいるからこそ、ブームになっているのかもしれませんね。日本でもデジタルデトックスをテーマにした宿泊プランやイベントが増えてきています。まずはここで紹介したプチデジタルデトックスから始めて、いずれはそうした大きなデトックスに挑戦してみてはいかがでしょうか?