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まずはお部屋のレイアウトを見直そう
■自宅内での避難経路を改めて確認してみる
もし、在宅時に災害が起きて家の外へ避難することになったら、どんな経路を通るか確認したことはあるでしょうか。リビングや寝室など、滞在時間の長い部屋だけでも「どこを通るか」をチェックしてみましょう。
ポイントは「机や棚の中身、上に置いたモノが落ちて避難経路を塞いだりはしないか」、「ベッドの上やリビングのよく居る場所に倒れ掛かりそうな家具はないか」、そして災害はいつ起こるかわかりませんから 「足元に蓄電ライトがあるなど、夜間でも移動できる状態か」といったことも重要です。
部屋の散らかり具合や収納の方法も防災ポイント
「防災=専用の対策アイテムを購入する」ではありません。いつもの生活の中で備えられる防災ポイントをご紹介しましょう。
■ドアや廊下、階段、玄関を塞ぐような「とりあえずの荷物置き場」を作っていないか
「帰宅したら、無意識に廊下へカバンを置いてしまう」、「ドアの前にバスケットが床置きされていて、通るたびに置き直している」など、部屋のレイアウトとしてカウントされていない「荷物の置き場」はないでしょうか。自分や家族にとっては「とりあえず」であっても、そこにある限り、いざという時に経路が塞がれてしまうことは変わりません。避難経路をいつでも確保できるように見直しておきましょう。
■収納家具には「下に重いもの/上に軽いもの」の順番で
収納家具の下よりも上に重いものが集まっている状態だと、揺れによる力がかかりやすいため、倒れるリスクが高くなってしまいます。強い力がかかると突っ張り器具やチェーンなどで固定していても倒れることがありますから、できるだけ「下に重いもの/上に軽いもの」を収めるようにしましょう。
■割れものが高い棚や落ちやすい場所に置かれていないか
高い棚にある割れものは、揺れの力で飛び出すようにして落ちてくる可能性があります。落ちやすい場所にある割れものももちろん危険です。収納場所を変えるのがベストですが、やむを得ない場合も扉の付いた場所に収め、扉が勝手に開かないようにする(後述)など、対策をしておきましょう。
■部屋の片付けも立派な防災対策
モノが多ければ、「落ちる」、「倒れる」などのリスクにつながります。まったく持たないというわけにはいきませんが、できるだけ増やさず、きちんと収納場所を確保して片付けていたほうが、いざという時避難しやすくなります。造り付け収納などをうまく活用して、倒れる心配のある家具も減らせるとなお良いでしょう。
収納・片付けについては、こちらの記事も参考にしてみてください。
家具や家電の耐震対策は適切にできている?
では続いて、家具や家電が倒れてこないようにするための備えについてご紹介しましょう。
■背の高い家具にはポール式器具かL字金具、すべり止めを
たんすや本棚など、背の高い家具にはポール式器具、いわゆる「突っ張り」タイプの耐震アイテムを設置するか、可能であればL字金具で壁に固定するなどしましょう。足元にすべり止めアイテムを設置するのもおすすめです。
■キャスター付き家具はストッパーをかけるか下皿を
キャスターが付いていて、揺れると勝手に動いてしまうような家具については、動かす時以外はキャスターのストッパーをしっかりかけるようにしましょう。滅多に動かさないけれどキャスターが付いている、ストッパー機構がないといった場合は、キャスターを載せて固定する下皿を用意すると安心です。
■置いたままのテレビやレンジは耐震ベルトで固定を
テレビやレンジ類は落ちたり倒れたりすると経路を塞ぐ可能性がありますし、部品が割れたりする可能性もあり大変危険です。耐震ベルトを使って固定しておきましょう。
■キャビネットは扉が開かないようにストッパーを
キャビネット類の扉は揺れなどで勝手に開いてしまい、中のモノが飛び出してくる危険性があります。ガラス戸などの場合は開いた勢いで割れるといったことも考えられます。扉が勝手に開かないようにロックするタイプのストッパーなどを用意しておきましょう。
自分や家族の必需品は枕元で確実に手に取れるように
では最後に、就寝時の防災対策として習慣化しておきたいことをご紹介しましょう。
■メガネ、スマホ、杖などは枕元に定位置を
もしもの時、メガネがなければ身の回りの安全を確認できないこともあります。また連絡や情報収集のためにはスマホも欠かせません。杖など、移動に必要な道具のある方はこれも必需品です。枕元に、いつでも確実に手に取れる定位置を作っておきましょう。
メガネやスマホなどは、ただ置いておくだけでは揺れで動いてしまい失くしやすいので、枕元の壁に固定した棚へ置く、すべり止めシートの上に置くなどの工夫も欲しいところです。
■足を守れる履きものもあると安心
就寝時は裸足という方も多いと思いますが、枕元にスニーカーや厚底のスリッパなどを置いて備えておくと、災害が起こり、床などに割れものが散乱する状況になっても、足を守りながら避難できます。ただし、履きものを履いたまま寝ると睡眠の質を下げてしまうので、あくまで身近に置いて備えるようにしましょう。
部屋の片付けや必需品の置き場所などが、防災対策につながることは意外だったと感じた方もいるのではないでしょうか。ちょっと意識するだけでも、いざという時のリスクを減らせるポイントは意外と多いものです。これを機に、あらためて“自宅での備え”について考えてみてはいかがでしょうか。