前編の<考え方編>では、収納や片付けが苦手な人にはどんな特徴があるのか、また、収納や片付けに対する考え方について解説していますので、ぜひご覧ください。
まずは「悩まない・終わりが見える」ところから整理して自信をつけよう
たとえ小さなスペースでも「整理・収納・片付けができた」という成功体験が積みかさなれば、次へのやる気につながるもの。最初は整理するにあたって悩まずに済み、すぐ完了できそうなところから取り組んでいくのがおすすめです。それでは、具体的な例をいくつか見ていきましょう。
■文房具やカードなど「サイズが小さく、テーブルの上で整理できるもの」
文房具やカードはサイズが小さめなので、家じゅうから集めても、テーブルの上などに中身をすべて出しきれるのではないでしょうか。ポイントカードやクーポンなどは使用期限が決まっていることも多いですから、あまり悩まずに整理できるはず。テーブルの上で行うことで「夕飯の支度までに終わらせてテーブルを空けなきゃ」というように、時間的な目標が立てやすいところもポイントです。
■食品・薬・化粧品など「期限のあるもの」
消費期限や賞味期限、使用期限のある品は、「期限の切れたモノは捨てる」、「期限の近いモノはすぐ使う」というように、整理するにあたって期限が目安になるのでさほど悩まずに済むはず。ちなみにアテニアの化粧品の使用期限は「原則として未開封で3年以内、開封後はスキンケアは半年以内、メイクは1年以内が目安」となっています。
■タオル類など「持っておく量を決めやすいもの」
「いつ、どのくらい使うか」が分かりやすいものも、持っておく量を決めやすいので、まず取り組むのにおすすめです。たとえば、まずバスタオル・フェイスタオル・ハンドタオルそれぞれの「1日に使う枚数」を書き出してみましょう。これを1セットとすると、洗濯の頻度などから「最低何セット必要か」が分かります。もちろん予備も欲しいところですが、何セット分も用意する必要はないはず。つまりこれも、「使う見通しから必要な数を決めて、その数だけ残す」方向で整理するのがポイントです。
■紙袋、割り箸など「思い入れがないもの」
いつの間にか増えてしまう消耗品は、溜め込みやすい一方、手放すことへの抵抗もさほどないことが多いはず。
たとえば紙袋であれば「まだキレイ・いつか使える」と考えるのではなく、よく使う場面を思い描きます。「お菓子のお裾分けをすることが多いから小ぶりの袋は5枚」、「お裾分けほど頻繁ではないけれど、子どもの着替えを入れることがあるから中くらいの袋は3枚」というように「使う見通しから必要な数を決めて、その数だけ残す」ようにしましょう。
整理・収納・片付けを途中で投げ出さないコツは?
やるべきことはわかっていても、なかなか続かない……という方も少なくないはず。続いては「途中で投げ出さないためのコツ」について見ていきましょう。
■片付ける範囲をより小さく区切ってみる
いきなり「今日中にこの部屋全体を片付けなければ!」などと考えると、間に合わないと感じた時点で投げ出してしまいがちです。そこで、まずは「忙しくてもやり終えられる」レベルまで小さく範囲を区切ってみましょう。たとえば「今日は財布だけ」、「紙袋だけ」、「薬箱の中だけ」でも良いのです。小さな範囲でも、片付けきれると次の片付けへのモチベーションにつながります。
■「家に人を呼ぶ」、「写真を撮る」などの予定を入れて目標にする
「家に人を呼ぶ約束」をすると、はっきりとした期限や目標ができるので、かなり頑張って片付けられるはず。最初はそこまで大きな予定でなくても、「片付いた部屋を撮ってSNS用にアップする」、「オンライン会議でカメラに映る範囲をきれいにして、バーチャル背景をやめる」など小さな目標でOK。一度片付けた後は、定期的にこうした予定を入れることが、片付けたスペースをキープすることにもつながります。
■整理・収納・片付けの様子を撮影してモチベーションに
片付ける前の部屋を写真に残すのは抵抗があるかもしれませんが、いわゆる「Before/After」の写真を撮っておくと「ここまで片付けられた」という達成感につながります。また、撮影することでそのスペースを客観的に見ることができ、散らかっている箇所に気づいたりするメリットもありますよ。
最近のスマートフォンは早送り再生風の「タイムラプス動画」が簡単に撮れるので、整理開始~片付け完了までの様子を撮影しておくのもおすすめです。頑張っている様子を動画で楽しみながら確認できます。
■片付けた実績を確認して達成感につなげる
「今日どれだけ整理・収納・片付けをしたか」を実感できるようにするのもおすすめです。片付けの最後に捨てるものを集めて写真を撮る、「ゴミ袋○袋分整理した」と数えて記録に残す、「片付ける場所リスト」を作って終わった場所にチェックを入れるなど、自分に合った方法を見つけてみましょう。こうした成果をSNSで投稿してコメントを励みにするのも良いですし、自分だけの記録を残して見返すだけでも達成感につながります。
「これくらいなら、私も今日から始められるかも!」と感じた方も多いのではないでしょうか?ちなみに前編では、収納・片付けが苦手な方に多い特徴や、着手する前に考えておきたいことなど、整理・収納・片付けを合理的に効率良く進めていくための考え方をお伝えしていますので、そちらもぜひチェックして、整理・収納・片付けに活かしてくださいね。
- ●監修者
水谷妙子(みずたにたえこ) -
整理収納アドバイザー1級。3児の母。無印良品で生活雑貨の商品企画・デザインを13年間務め、手がけた商品は500点超。現在は、片づけ講座、雑誌、テレビ、書籍などで情報発信やコラボ商品開発を行っている。