キッチンのお酢、使い切れていますか?
■持て余しがちな調味料「お酢」
たまにしか作らない料理や、餃子を食べるために買ったお酢が、使わないままキッチンの隅に……といった話、よく耳にしますね。確かに酢の物はメインのおかずにならないし、煮物や南蛮漬けは手がかかり過ぎて……といった具合で、なかなかお酢に手が伸びない方も多いのではないでしょうか。
健康にも美容にもうれしいお酢のチカラ
なかなか使い切れないお酢ですが、身体にうれしいメリットがたくさんあります。
■腸内環境改善による美肌効果
持て余される一方で、実は美容にもうれしい効果があるお酢。腸内環境改善と聞くと、乳酸菌や食物繊維が思い浮かぶかもしれませんが、お酢には胃酸の分泌を促し、腸を刺激することで、お通じをスムーズにする働きがあるのです。毎日のお通じがスムーズになることで、腸内環境も良好、お肌も健やかというわけです。
■疲労回復や内臓脂肪を減らす効果も
お酢に含まれる「クエン酸」には、疲労で溜まった乳酸や体内の栄養素を燃焼させてエネルギーを生むことで、疲労を回復させる働きがあります。また、お酢に含まれる酢酸には、血圧を下げたり、内臓脂肪を減らしたりする効果があるとされています。
■抗菌・静菌効果も抜群
お酢の酢酸は「食べ物を傷みにくくする」抗菌・静菌の力がとても強く、昔から魚の酢じめなどの保存食に用いられてきました。つまり、上手に使えば簡単調理で日持ちする副菜を作り置きできる調味料です。
余った野菜と酢でカンタン♪「浅漬けサラダ」
■手軽にチャレンジできる
浅漬けは、手入れが大変なイメージがある「ぬか漬」と比べて、家庭にある酢だけで作ることができます。これからの季節、鍋料理で余らせがちな白菜や大根なども、しおれる前に浅漬けにすれば無駄なく活用できます。
■ごくシンプルな浅漬けを作ってみよう!
<材料(作りやすい量)>
野菜…約200g
酢…小さじ1~大さじ1(お好みで)
塩…小さじ1
砂糖…小さじ2
だしの素…小さじ1~2(お好みで)
お好みで…薬味(ごま、鷹の爪、刻んだ大葉・ミョウガ・ショウガなど)、または各種スパイス
<作り方>
1:野菜を食べやすい大きさに切る。ここで小さく、薄く切るほど短時間でよく漬かります。
2:漬け汁の材料と1を容器の中で和えるか、ポリ袋へ入れ空気を抜いて口を閉じ、しばらく揉む。
3:味を見ながら20分~半日ほどおき、水気を切って盛りつける。
POINT
ごくシンプルなレシピなので、ぜひアレンジも楽しんで。昆布系、かつお系、コンソメなど、だしの素の種類を変えるだけでも味が変わりますし、だしの素の代わりに昆布茶を使ったり、めんつゆを使って醤油風味にしたり、砂糖を控えてよりサッパリした味の浅漬けにするのもおすすめです。
春先は春キャベツ、夏はミョウガなど季節ごとに楽しむのもおすすめですよ!
■浅漬けは洋風の野菜も相性抜群◎
和食のイメージが強い浅漬けですが、実はトマトやアスパラガス、ズッキーニなど、洋風の野菜もとても相性が良いのです。洋食のつけ合わせでよく見るラペも、浅漬けの要領で作ることができますよ。
■キャロットラペ風浅漬けを作ってみよう!
<材料>
・にんじん…中1本
・酢…大さじ2
・塩…少々
・砂糖…大さじ1
・オリーブオイル…小さじ2
・お好みで…クミンシードまたはバジル(乾燥)
<作り方>
1:にんじんを千切りにする。
2:にんじん以外の材料と1を容器の中で和えるか、ポリ袋へ入れ空気を抜いて口を閉じ、しばらく揉む。
3:味を見ながら30分ほどおき、盛りつける。
POINT
同じ材料で、にんじんの代わりにトマトやアスパラガス、ズッキーニを漬けてもおいしく食べられます。アスパラガスはサッと下ゆでして、ズッキーニは生で食べられるので、薄めにスライスしそのまま漬けてOK!
■ポリ袋調理&サラダ見え盛り付けで簡単おしゃれに
漬物は専用容器や重しを用意するのが……という方におすすめなのが、ポリ袋に野菜と浅漬けの素を入れる作り方です。漬け汁もまんべんなく行き渡り、重しがなくても大丈夫。保存や洗い物もラクになります。
食べる時はいわゆる漬物の盛り付けのように野菜をきれいに並べるのではなく、ざっくり混ぜてラフに盛り付けると、漬物というよりもサラダのような見た目になって、洋風の器などにもよく合います。梅酢を使ったり、大葉を刻んで入れたりするとより爽やかに味わえますよ。
瓶で作って飾りたい!おしゃれな「ピクルス」
■カラフルでおしゃれ、いろいろ作れば飽きずに楽しめる
カラフルな野菜を漬け込んだピクルスは、食べる時はもちろん、保存中もキッチンをおしゃれにしてくれる楽しい一品。きゅうり、にんじん、セロリなどの身近な野菜が定番ではありますが、ゴーヤ、エシャレット、柿、りんご、長芋、オクラなど意外な食材も合います。平日の料理でちょっと余った野菜を集めて、休日にピクルスを仕込むルーティンを作っておくのも良いかもしれませんね。
■味のアレンジも豊富なピクルス
ピクルスはお酢に砂糖、塩での味付けが基本ではありますが、ハーブ、スパイス、カレー粉などをプラスしてもおいしくアレンジできます。漬け込む野菜の種類などによって、いろいろ試してみるのもおすすめ。また、ピクルスをそのまま食べるだけでなく、細かく刻めばタルタルソースなどの料理にも活用できますから、お料理のバリエーションも広がります♪
フルーツのピクルスは、食事やおつまみだけでなく、小腹が空いた時にヘルシーなおやつとしてつまむのにもぴったり。これまでの「お酢」のイメージから一歩踏み出して、自分なりの「お酢のつくり置き」をぜひ楽しんでみてくださいね。