おうち時間で冷え性や夏バテが悪化することも?
■冷えもバテも無縁そうなおうち時間だけど……?
夏の不調と言えば、冷房の効き過ぎで体が冷える、炎天下で体力を奪われてバテるといった状況がまず思い浮かぶのではないでしょうか。おうちで過ごす時間が多くなりそうなこの夏は、炎天下に出歩くことも減り、涼しく快適な部屋での時間が増え、一見すると冷えやバテとは無縁にも思えます。
ところが、総務省消防庁によると、2016年から2019年の熱中症発生場所は約4割近くが住居(敷地内すべての場所を含む)で、驚くことに室内での発生も多くなっています。
またテレワークやお出かけ控えが続くと、それ自体がストレスになって自律神経が乱れることもあります。その結果、室温や気温が落ち着いているにも関わらず、手足の冷えやだるさ、不眠などの冷え性・夏バテのような症状が現れることもあります。
さらに、暑い屋外と冷えた室内の温度差も要注意。自律神経が乱れ、体温調節機能が低下しがちになります。特にホルモンバランスがゆらぎやすい大人の女性は、下半身は冷えるのに上半身はのぼせる“冷えのぼせ”になりやすいのです。これを放っておくと更年期症状が重くなったり、冷えのぼせに翻弄された自律神経が疲弊して「隠れ夏バテ」になってしまったりと、さまざまな不調のきっかけにつながりかねません。
ですから、おうち時間中心の生活でも、冷え・夏バテ対策は欠かせないのです!
大人の冷え&夏バテ対策をチェック!
ここからは、おうち時間で起こりやすい冷え&夏バテを防ぐ・回復する対策をご紹介していきましょう。
■冷たい食べ物・飲み物を避ける
冷たい食べ物・飲み物をとると「体を内側から冷やす」ことになってしまいます。気温の高い屋外なら良いのですが、冷房の効いた室内では、下がってしまった体温を戻そうとして、体に負担がかかります。室内で過ごす日は、温かい食べ物と常温の飲み物をとるように心がけましょう。
また、コーヒーや緑茶などカフェインの多い飲み物は、カフェインの利尿作用によって体の熱も奪ってしまいます。熱中症の大敵である、水分不足にもつながりますから、温かいものでも水代わりに常飲するのは控えましょう。
こちらの記事では、温め効果のある薬膳レシピを紹介しています。ぜひチャレンジしてみてください!
■夏野菜の生食ばかりは控えて
この時期に旬を迎え、栄養満点と言われる夏野菜。しかし、夏野菜は基本的に体を冷やすものがほとんどです。特にキュウリ、夏キャベツ、レタスなど生食できる夏野菜や、ナスなど調理してから冷やすことが多い夏野菜は要注意。サラダなどの冷たいメニューばかりでなく、炒め物などの栄養を逃しにくい加熱調理や、体を温める根菜類も取り入れるようにしましょう。夏野菜と根菜を入れたカレー、良質のたんぱく質やミネラルも摂れる野菜たっぷりの豚汁など、食欲のなくなりがちな夏にはおすすめです。
■良質なたんぱく質を摂り、筋肉量キープを意識して
食事をとった後、同じ室温なのに食事前より暑く感じたことはないでしょうか?実はこの時、上がっているのは室温ではなく体温。食事で体内に吸収された栄養素が分解され、一部が熱(エネルギー)となって消費されているのです。つまり、エネルギー消費が多く、体を温める良質なたんぱく質を摂ることは、冷えを防ぐことにつながります。
たんぱく質不足による筋力低下も、エネルギー消費が減って冷えの元になります。大人の女性は特に筋肉量が減少しやすくなっていますから、これまで以上に体が冷えてしまうことも。麺類や丼なら卵やチーズをトッピングする、サンドイッチなら肉・魚の具材を選ぶなど、意識してたんぱく質を摂るようにしましょう。夏バテ気味で食欲が無いという方は、温めた豆乳や、消化の良い具材の味噌汁を飲むのもおすすめです。また、室内でできる軽い筋トレなども組み合わせると、筋肉量キープの意味でも、血行を促し体を温める意味でも、効果が期待できますよ。
■衣類を工夫して冷えをシャットアウト
オフィスでの衣類を使った体温調節は、ひざ掛けで足を温めたり、羽織物で肩を温めたりといったものが定番ですが、おうち時間で意外と盲点なのが腰や足元です。冷えやすいフローリングの上で、素足のまま過ごしたりしていると、気づいた時には腰が冷え、足がむくんで……なんてことも。
服装の自由がききやすいおうち時間だからこそ、意識して靴下やルームシューズを履いてみたり、レッグウォーマーを使ってみるのもおすすめです。
また、40代以降は“下半身の冷え”が深刻になりがちですから、腰が冷えたと感じたら、腹巻を着用したり、思い切ってカイロを貼るのも効果的です。
■湯船につかる
ついシャワーで済ませがちな夏の入浴ですが、それでは体が冷えやすくなり、睡眠の質も下がってしまいます。湯船に38度くらいのぬるい湯を張り、ゆっくりつかって温まるのがおすすめです。湯上がりに汗をかきやすいなら、最後に水か、最低温度(22~25度)の温水をサッと浴びると、体の芯を冷やさずにサッパリできますよ。水を浴びる時は足元や手などから少しずつ、徐々に体の中心に向かうようにし、心臓に負担がかからないようにしましょう。
やむをえずシャワーで済ませる時は、浴槽内で足元だけでもお湯を張りながら浴びましょう。足湯と同様の温め効果が期待できます。
こちらの記事でも、正しい入浴方法を紹介していますので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
おうち時間が冷えや夏バテの元になるとは、驚いた方もいるのではないでしょうか。冷えやバテのリスクはあちこちに潜んでいるもの。エアコンさえ適温なら問題なし、というわけにはいかないのです。今回ご紹介した冷え&夏バテ対策はすぐに取り組めるものばかりですから、ぜひ今日から始めて、元気に夏を乗り切ってくださいね。