食材が持つ「温める」「冷やす」チカラ
薬膳は食材そのものに「カラダを温める」「カラダを冷やす」「どちらでもない」などの性質があると考えられています。この考えをもとに、寒い日やカラダが冷えている時には「温」のもの、反対に、暑い日や熱がある時には「涼」のものというように、食材の性質を利用してカラダのバランスを取り戻す、というのが薬膳の基本的な考え方のひとつです。
【レシピ】ネギとろとろ・お肉柔らか! ネギとささみの薬膳スープ
■さっと加熱したらスープジャーにおまかせ♪ランチタイムには食べ頃に
スープジャーは保冷・保温に優れているので、温かいまま・冷たいままで持ち運べるのがうれしいですよね。それに、保温性の高さを利用して予熱で火を通すこともできちゃいます。たとえばおみそ汁やスープなら、朝にさっと火を通してスープジャーに詰めればOK!ランチタイムには火が通って、食べ頃スープができていますよ!次に、スープジャーで簡単に作れる薬膳スープのレシピをご紹介していきます。
■作り方:ネギとささみの薬膳スープ
今回紹介するレシピは、「温」食材ばかりを使った薬膳スープです。多めの生姜は、炒めることで強い辛味を抑えます。鶏肉は表面の色が変わるくらいの加熱でOKです。
※少量で作るため、小さい鍋か卵焼き用フライパン(テフロン加工)で作るのがおすすめです。
※お手持ちのスープジャーの使い方・大きさに合わせて分量を調整してください。
<材料:1人分、容量0.3Lのスープジャー>
A
鶏ささみ…1本(包丁で4等分して、さらに手で割く)
長ネギ…15cmくらい(斜め薄切りに)
生姜…2mmくらいの薄切りを3~4枚
ごま油(炒め用)…適量
コショウ…適量
B
水…200mL
鶏ガラスープの素、白だし、しょう油…各小さじ1
<作り方>
1:スープジャーに分量外の熱湯を入れて、フタをせず5分以上保温する
2:鍋にごま油を熱し、弱めの中火で生姜を炒める
3:生姜が透けてきたら、長ネギを入れる
4:長ネギに油が回ったら鶏ささみを入れる
5:鶏ささみの表面の色が変わったら、Bの水と調味料を全て入れる
6:中火にして、ひと煮立ちしたら火を止める
7:スープジャーのお湯を捨て、手順6を注ぎ入れ、コショウを振り入れてフタをする
8:1時間半以上置けば出来上がり
普通のお鍋で作る場合
このレシピはお鍋でも作ることができます。作り方はほとんど同じですが、鶏ささみはきちんと火が通るまで過熱しましょう。お鍋だけで完成させるので、具材はもう少し大きく切っても良いかもしれませんね。
レシピに使った4食材の「温」効果とは?
レシピで使用した4つの食材は、薬膳の視点からどんな働きがあるのでしょうか?おさえておくと、自分の体調に合わせてピックアップできて便利ですよ。冬に限らず、エアコンの効いた夏にもおすすめできます。
■鶏肉:おなかが冷える、むくみやすい人に
鶏肉は、おなかを温めて気力を充実させます。おなかが冷えやすい人・胃弱な人に食べていただきたい食材です。病後・産後など体力が落ちている際の滋養強壮にもおすすめです。
■長ネギ:漢方薬にも使われる「温」食材
ネギの白い部分は「葱白(そうはく)」という名で、漢方薬にも調合されるほど薬効の高い食材なんです。カラダ全体を温めて発汗を促し、冷えによる頭痛・腹痛を穏やかにします。寒気のある風邪の時にたくさん食べるのがおすすめです◎
■生姜:食欲不振・冷えに
生姜は、カラダ全体を温めて発汗を促します。寒気のある風邪、冷え、頭痛、咳、食欲不振の時におすすめです。ほかにも、吐き気を抑える特効薬としても知られています。二日酔いでつらい時には、大根と生姜のすりおろしに熱湯を加えて飲んでみてくださいね!
■コショウ:おなかを温めて血流を促す
コショウは、「温」以上に温める作用が強く、「熱」に分類されます。特に胃腸が温まるので、冷えによる腹痛や下痢に効果的です。血流を促すので貧血の時にもおすすめ。だたし「熱」は作用が強いので、食べすぎは控えましょう。
体質別 スープにちょい足ししたい!おすすめ食材
薬膳スープにちょい足ししたい食材をご紹介します。その日の体調に合わせると良く、また不調予防にも役立ちますよ♪
■すりごま
ごまは生命力を養うと言われています。疲れやすい・風邪をひきやすい方、指先・足先など末端が冷える方におすすめです。
■しそ
カラダを温め、胃の働きを助け、元気や気力のもととなる「気」のめぐりを良くします。ストレスによる食欲不振・不眠にも適しています。
■春菊
胃腸を整え、消化をサポートします。香りには気持ちを安定させる働きがありますが、加熱し過ぎると香りが飛んでしまい効果が弱まります。さっとゆでる、または葉をちぎってそのままちょい足しするのがおすすめです。
■お酢
カラダを温めて疲労を回復します。疲れがたまっている時、食欲のない時におすすめ。本レシピのように鶏ガラベースに加えると、さっぱり系の中華になりますよ。
これから寒さもどんどん増してくるこの時季に、「温」のチカラを借りてカラダを芯から温める温活ライフを楽しみましょう。