「植物のある暮らし」が生活の質(QOL)を高める
QOL(人生の質・生活の質)を上げるためには、毎日をご機嫌で過ごすことが大切。小さいことで良いので「楽しい」、「うれしい」、「ステキ」と感じる物事をたくさん持っておくと、元気のない時も持ち直しやすくなります。
植物を育てることも、QOLを高める方法のひとつ。朝起きたらカーテンを開けて、窓を開けて換気して、植物に水をあげて……と、心地良い朝のルーティーンが生まれます。自分だけだとサボってしまうような習慣でも、植物のお世話のためならできそうですよね。若葉が増えたり、葉の開きが大きくなっていたり、はたまたつぼみが膨らんだり――ほんの小さな変化が、楽しさやワクワク、充実感につながります。
初めて植物を育てるなら、最初から鉢に入っているもの(薄手のポリポットなどに入っているタイプは、鉢を購入して植え替える必要があります)がおすすめ。また、ポップやラベルには、耐暑性・耐寒性・耐陰性(太陽光が少なくても育つ性質)、水やりの頻度など、育て方のポイントが書いてあります。飾りたい場所を思い浮かべながら、条件に合う植物を探してみてください。
ここからは、人気が高く、初心者の方でも育てやすい「多肉植物」と「エアプランツ」について、ご紹介します。
■その1:多肉植物
ふっくらした葉がかわいらしい多肉植物は、そのインテリア性の高さから「インテリアプランツ」として人気です。秋になると紅葉する品種や、うまくいけば花をつける品種もあります。暑さ・寒さに強く、乾燥にも耐えるため、初心者さんにぴったりです。
【多肉植物の置き場所】
日当たりと風通しの良い場所を好みます。日当たりが良く、開閉可能な窓辺がベストポジションです。可能なら朝はベランダで日光浴させて夕方に取り込むようにすると、さらによく育ちます。夏は直射日光を避けた明るい日陰に置き、冬は屋外が5℃以下になる日は室内に入れてあげましょう。
【多肉植物の水やり】
多肉植物は葉に水分をたっぷり含んでいるので、こまめな水やりは不要です。品種ごとに春秋型、夏型、冬型など、よく育つ時季(生育期)があるので、確認してみてください。
生育期には葉をよく観察しましょう。ちょっと葉っぱにシワがあるかな?というタイミングでたっぷりと水やりします。葉の隙間に水が入ると蒸れて傷みやすくなるので、土にだけ水やりするのがポイントです。生育期以外の時期(休眠期)は、月1回の水やりでOKです。
■その2:エアプランツ
エアプランツは、空気中の水分を取り込んで育つ植物です。比較的暑さ・寒さに弱いですが、レースカーテン越しくらいの明るい日陰を好むため、室内にグリーンが欲しい方にも適しています。ワイヤーで吊るしたり流木に固定したり、ほかの観葉植物とは一味違った飾り方ができるのも魅力です。
【エアプランツの置き場所】
明るい日陰を好むため、窓辺に飾るほうが多いようです。しかし、冬の窓辺は屋外と同じくらい冷えますから、夕方以降〜翌朝までは窓から離してあげましょう。屋外でも育てられますが、10℃を下回るような時季は室内へ移動させます。
【エアプランツの水やり】
エアプランツといえど、水やりは必要です。1週間に1〜2回(冬季は1回)、霧吹きで葉全体に水を吹きかけてから、風通しの良いところに置きます。夕方から夜にかけて水分を吸収しやすくなるので、日が暮れてからの水やりがおすすめです。
また、梅雨を除く春・夏は月1回くらいを目安に、バケツに入れた水にエアプランツを丸ごと沈め、4~6時間ほど置く「ソーキング」という方法を行うと、効率良く吸水してくれます。
土のいらない水栽培でお花を咲かせよう
花を咲かせるのは、園芸の醍醐味のひとつです。つぼみが膨らんでいく期待感や、咲いた!という達成感は、日々の暮らしを鮮やかに彩ってくれるはず。水栽培は肥料なし・水だけで栽培する手軽な栽培法のことで、なかでも球根の水栽培は、初心者さんでも花を咲かせられる種類があります。
初めての水栽培なら、甘い香りの「ヒヤシンス」、大きめの花が咲く「クロッカス」がおすすめです。2〜3月になると、すでに芽と根が出ている球根と水栽培用ポットのセットが、ホームセンターや花屋さんで入手できます。初めてならそちらを利用すると良いでしょう。開花したらおよそ1ヵ月は花もちします。
発芽済みの球根は、レースカーテン越しなどの明るい日陰に置きます。直射日光が当たると栽培ポットの水温が上がりすぎてしまうのでご注意を。根の2分の1から3分の2くらいが水につかるようにして、週1回程度で水換えをします。ただし、室温が高い場合など、水がにごった場合はすぐに水換えしましょう。花を咲かせられたら、次は秋冬に球根を入手し、発根・発芽からチャレンジしてみるのも楽しいですよ。
植物を育てていると、ほんの小さな変化が暮らしに癒やしをもたらしてくれます。多肉植物やエアプランツ、水栽培など、初心者さんでも失敗しにくい園芸は意外とあるもの。
野菜の「根っこ」や「ヘタ」を捨てずに水で育てる「リボベジ」といった楽しみ方もあり、収穫量はほんのちょっぴりですが、自分で育てた野菜の収穫はやっぱりうれしいものです。
下記の記事では、リボベジの始め方をご紹介しているので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
以前、観葉植物を枯らしてしまった……という方もこの機会にぜひ再チャレンジをしてみるのも良いかもしれませんね♪植物を取り入れて、自分だけの癒やしスポットを手に入れましょう。