体に負担をかけずに、疲れを癒やす「足湯」
■足湯のメリットとは?
足湯は全身浴と比べて、直に水圧や温熱がかかる部位が少ないため、心肺に負担が少ないのが特長です。たとえば、のぼせやすい体質で、温まる前にお風呂から出てしまう方や、湯上がりになかなか汗がひかず、扇風機やクーラーで涼む時間が欠かせないといった方も、足湯ならそうしたことが起こりにくく、おすすめできます。
また、湯船につかっていても寝る前には足が冷えてつらい冬だけでなく、一日中クーラーをかけているような夏の日の冷えを緩和する方法としても足湯はぴったり。服を脱がずとも手軽に行える足湯は、夏場でもぜひ活用いただきたい温浴法です。
お湯につかっているのは足だけですが、温められた血液は全身をめぐり、体の奥の体温を上昇させます。さらに、リラックスしている時に活発になる副交感神経が働くので、緊張がほぐれてリラックスしてくるのが実感できるはず。それではさっそく、足湯の基本の入り方を見ていきましょう。
■足湯の基本の入り方
38℃~42℃のお湯に、ふくらはぎの真ん中くらいまで(少なくとも足首まではしっかり浸かるように)を約20〜30分間つかるだけ!フットバスも販売されていますが、大きめのバケツでじゅうぶんです。
じんわり汗をかくくらいを目安に、お湯の温度や時間を調整してみてください。足し湯のために、余分にわかしたお湯も準備しておきます。足をふくためのタオルはひざに掛けておきましょう。より温まりやすく、さっと使えて便利です。
また、足湯の最中や直後は体を冷やさないようにしましょう。暑いからといって強い風やエアコンに当たると、急激に冷えてしまうので、うちわや扇子であおぐくらいにしておくのがおすすめです。足湯を終えたら、タオルで指の間までしっかりと水分をふきとります。
良いことたくさん!「足湯」をおすすめしたいワケ
足湯には、むくみ、冷え性改善、冷えによる痛み、筋肉痛の緩和、寝付きを良くする、こむら返りの予防、運動不足でかたくなった足首の柔軟性UPなど、さまざまな効果が期待できます。
■寝付きをスムーズに
仕事や悩みごとなど、寝る直前までに考えこんで緊張しているケースでは、寝る前の足湯が特におすすめです。この場合は、少しぬるめ(37℃〜39℃)の湯温にするのがポイント。熱め(41℃以上)のお湯は交感神経を刺激して、かえって目がシャキッとしてしまうので気をつけてください。
足湯をすることで体の深いところの体温(深部体温)が上がり、その後下がっていくことでうとうと眠くなりやすくなります。もちろん、副交感神経が活発になってリラックス状態になることも、寝付きの良さを助けます。
■冷えによる痛み・生理痛・筋肉痛の緩和
足湯は全身を温めますから、冷えからくる全身の痛みを和らげてくれます。関節の痛み、腹痛、胃痛、生理痛などの緩和が期待できるほか、更年期の冷えにもおすすめですし、冷えと同時にほてりがあって全身浴がつらいといった方も、足湯なら体に負担をかけずに温浴できます。血行が良くなるため、筋肉痛の緩和にも役立ちます。
■足のむくみの緩和
足湯で血行が促進されることで、滞っていた余分な水分が流れて、むくみの解消につながります。お湯のなかで足の指をグーパーグーパーすると、さらに血行が促されるので試してみてください。回数について、特段目安などはありませんので、気が向いたらやってみると良いでしょう。
むくみに悩む方は、塩分やアルコール類の摂り過ぎ、運動不足など、むくみの原因になる習慣を見直しながら、足湯を併用するのがおすすめです。
■こむら返りの予防
ものすごく痛い「こむら返り」の予防にも、足湯は役立ちます。こむら返りの原因は水分不足や血行不良、筋肉疲労、運動不足、加齢などが考えられます。足湯で筋肉を温めて血行を良くしつつ、水分補給をまめにすることや、運動不足の方は歩く時間を増やすなど、あわせ技で解決していきましょう。
効果的な足湯をするためのQ&A
うれしい効果が期待できる足湯ですが、良かれと思ってしたことで効果が損なわれてしまうことも……。ここでは効果的な足湯のポイントを解説します。
■足湯はいつ入るのがベスト?
いつ入ってもOKですが、空腹時や食直後の足湯は避けましょう。眠りやすさを期待するならば寝る前&ぬるめがおすすめです。
■足湯の後は靴下を履いたほうが良い?
冷え対策の靴下は、人によって向き不向きがあります。たとえば汗をたくさんかく方は、靴下が汗を含んで逆に冷えるかもしれません。靴下を履くなら、汗がひいてから履く、麻素材などの蒸れにくい素材の靴下を選ぶなどの工夫をしましょう。
冷え予防としては、レッグウォーマーを履いて寝るのもおすすめです。靴下は汗で冷えたり、締め付けがあったりして、睡眠を妨げることもありますが、ゆるめのレッグウォーマーなら、締め付けずに足首とふくらはぎを温めてくれます。ちなみに、冷え性の方に長らく愛されてきた方法として、腹巻きや湯たんぽも、古典的ですがとても効果的です。冷えがつらい方は試してみてくださいね。
■熱めのお湯が好きなんだけど……
シャキッとしたい時は、熱め&短めの足湯が良いでしょう。一方でリラックスしたい時や、寝る前なら、ぬるめが効果的です。寝る前に「体の芯まで温め過ぎると、寝付きを妨げる」という論文もあります。足湯は温度や時間で効果を変えられるのも大きな長所ですから、状況によって使い分けてみてください。
■入浴剤やアロマオイルを入れても良い?
ただのお湯でも、入浴剤を入れても、どちらでもOKです。バスタブ使用時と比べて必要な入浴剤の量が少なくて済むのもうれしいですね。お手持ちの入浴剤のパッケージを確認して、量を調整してください。
ただ、アロマオイルは水に溶けないので、肌が弱い方は肌トラブルの心配があります。アロマオイル単体をお湯に入れるのはおすすめできません。入浴用のアロマソルトなら足湯でも使えます。
以下の記事では、お風呂でも足湯でも使える、手作りアロマソルトの作り方を紹介していますのでぜひご覧ください!
新型コロナウイルス感染症の流行などで生活がガラリと変わり、ストレスを感じやすい昨今。そんな時こそ自分をいたわるセルフメンテナンスが大切。ご機嫌でいられる手段のひとつとして、足湯はぴったりの方法です。一年中おすすめできるお手軽美容法ですから、ぜひ今日の寝る前から試してみてくださいね。