あなどれない色のチカラ、イメージを味方につける
たとえば、「森の緑」に癒やされる、「青いカレー」がおいしく見えない、など私たちは色に対して無意識にイメージを持っています。この色が持つ心理的な効果を利用して、気持ちや印象をコントロールするのがカラーセラピー。使い方を知っておけば、暮らしのなかで色のチカラを活用できるようになります。
色のチカラを得るポイントは、自分の気持ちを変えたいなら目線がいくところに色が入るようにする、相手の気持ちに働きかけたいなら相手の目線上(顔周りや上半身のファッションなど)に色を活用することです。
早速、シーン別のおすすめカラーと使い方例をご紹介します。
一日の始まり、朝のカラーセラピー
■エンジンがかかるのが遅い方は「赤」
さまざまな色のなかでも「赤」は刺激的な色で、「活力・情熱」をイメージさせる色。赤を見ると脈拍や呼吸数が上がるという実験結果もあります。朝起きたらしばらくボーッとしてしまうという方は、赤の強いチカラを借りましょう。ただし、とても強い色なので、朝最初に使うマグカップやスリッパなどの小物に用いるのがおすすめです。
■朝に強い方・息切れしそうな日は「緑」
朝から元気いっぱい、もしくはイライラしている方には、ヒートアップさせる「赤」は逆効果。日中にエネルギーが尽きてしまわないように、クールダウンさせる「緑」を活用しましょう。洗顔タオルやパジャマに羽織るものを緑にしたり、グリーンスムージーを作ったり……毎朝観葉植物に水をあげるのもおすすめです。
日中イライラせずに穏やかに過ごす色
■気が散ってしまう方は冷静沈着な「青」
気が散って効率が悪いと感じているなら、まずは身の回りにたくさんの色が渋滞していないかチェック。物を片付けて、色数も抑えましょう。冷静沈着・穏やかに気を引き締めてくれる「青」を、文房具などのよく目にする道具類に使ってみて。「青」には片付け効果もあるので、机が散らかりがちな方にもおすすめです。
■活力を感じる「オレンジ」は、自分にも相手にも効果的
「陽気・活力・元気」をイメージさせる「オレンジ」は、自分には活力を、相手には親近感を与えます。疲れが抜けない時や、距離が縮まらない相手とコミュニケーションをする際に使いたい色です。イライラしない・させないチカラも持っています。ただし、デリケートな話をするシーンには強すぎる色なので、そういう時は淡いオレンジを選んでみましょう。
■苦手な方に会う時には感情を見えにくくする「黒」
黒はどっしりと落ち着いた雰囲気をまとわせてくれる色。本音を隠してくれるので、苦手な人と会う時に活用できます。プロフェッショナルな感じも与えます。威圧感を感じる色でもあるので、もしもその苦手な人と打ち解けたいなら先述の「オレンジ」のほうがおすすめです。
大勢のなかから選ばれたくない時や謝罪する時といった「苦手」に挑む時には、黒ではなく「グレー」で存在感を薄くしましょう。
寝室は穏やかで落ち着く色を多めに
■眠りに集中できない時はシーツの色を変えてみる
睡眠に色を活用する場合には、カーテンやシーツなど視界にしっかり入ってくる大判の生活雑貨を使います。気にかかることが頭に浮かんできて眠れない方は、冷静になる「青」や、穏やかな気持ちにする「ラベンダー」、緊張感をほぐす「緑」もおすすめです。
■気持ちをリセットする「白」は明るさ(明度)に注意
「白」は物事を一新するイメージの色。清潔感があって、気持ちをリセットする効果があります。ただし眠るのに真っ白だと明る過ぎるので、オフホワイトやアイボリーを活用してみてください。
また、白色蛍光の明かりは寝室には眩し過ぎますから、オレンジ系の柔らかい間接照明で落ち着きもプラスして。
休日はポジティブな気持ちを呼び覚ます色で過ごす
■元気が欲しい時は「レモンイエロー」
待ちに待った休日なのに、ごろごろして終わらせてしまう……そんな休日を活かしきれない時には「レモンイエロー」の出番です。無邪気さや元気を与えてくれて、何かしよう!という気力が湧いてきます。
■優しい気持ちになりたい時は「ピンク」
イライラした週の休日は「思いやり・幸せ」を呼び覚ましてくれる「ピンク」を身の回りに置いてみるのはいかがでしょうか。穏やかな気持ちをプラスするなら明るく優しい「コーラルピンク」、包容力不足なら「サーモンピンク」など、見ていてしっくりくる「ピンク」を選んでみてください。
■不調を吹き飛ばしたい時には「ターコイズブルー」、「薄紫」
クタクタで何もしたくない!そんな疲労を翌週に持ち越さないために、不調を癒やす色をまといましょう。「ターコイズブルー」は心を広くして無理をしないマイペースな気持ちにしてくれて、「薄紫」は疲れや悲しみを和らげて体調の回復を助けてくれる色です。
色イメージ一覧
ここまで登場した色のほか、使いやすい色を一覧にしてみました。赤やオレンジなどの強い色は小物使いに、ピンクや薄紫といった優しい色はルームウェアやカーテン、ストールなど大型の物に向いています。もちろん組み合わせてもOKです。自分にぴったりの「マイカラー」をいくつか持っておきましょう!
自分の気持ちをコントロールしたり、思ってもらいたい自分を演出したりできる色のチカラ。色と心の結びつきが理解できたら、「自分のカラー」をいくつもストックしておきましょう。なりたい自分に、変えたい状況に、使い分けができれば色は力強い味方になってくれますよ。