サウナってどう良いの?
■そもそもサウナって?
日本のサウナには主に湿式・乾式の2種類が多く見られます。
このほか、最近は湿式と乾式の中間と言われる「フィンランド式サウナ」なども増えてきています。今回主に取り上げる「乾式サウナ」は熱気を用いた蒸し風呂です。室温は施設ごとに異なりますが、上記の通りおおむね70℃~100℃以上になることもあり、体を温める効果や、発汗を促す効果が期待できます。
また、サウナ室を出た直後に水風呂へ入り、風通しの良い場所で休憩をとる流れを繰り返すと、交感神経やホルモンバランスの影響で体が軽く、頭がすっきりとするような感覚になることがあり、「サウナー」、いわゆるサウナ愛好家を中心に“ととのう”と呼ばれています。
■代謝アップや血行促進で健康的にキレイに
サウナの発汗作用によって汗腺や皮脂腺が開くと、肌の新陳代謝が活発になったり、徐々に肌の保湿力が高まったりするとされています。また、体が温まることで血行が促進されて顔色が良くなりますし、血液中の栄養や酸素が肌にしっかりと届くことで、肌の調子も良くなる効果が期待できます。
■ダイエットの効果は「あくまで間接的」
サウナでの入浴後に体重が減ることがありますが、これは発汗で体内の水分が一時的に減ったためであり、直接的なダイエット効果は「ない」とする説が一般的です。ただ直接的な効果はないものの、睡眠の質が改善されて日中の活動量が上がりエネルギー消費が増える、代謝が上がりエネルギー消費が増える……などの間接的な効果はあると見られています。
サウナの“ととのう”入り方
続いて、サウナの基本的な入り方をご紹介していきます。
■水分補給をし、入浴中の水分も確保
サウナ室では大量の汗をかきます。脱水症状を引き起こさないために、サウナに入る前に水分補給をしておきましょう。ペットボトルの水など、サウナを出て休憩する際に飲める水分も用意しておくほうが良いでしょう。施設によっては給水器などを設置していることもあります。
■体と髪を洗う
サウナ室に入る前は、通常の入浴と同じように体と髪を洗いましょう。ほかの利用者のために清潔にしておくことも重要ですし、お湯で体を温めておくことはサウナ室での発汗を促すためにも重要です。洗った髪はタオルで覆ったり、サウナハットをかぶったりすると乾燥による傷みを防ぐことができます。
また、好みによりますが、湯船がある場合は先に軽く浸かっておくのも良いでしょう。
■体の水分を拭き取る
サウナ室へ入る前にタオルなどで体の水分を拭くのは、室内をびしょびしょにしないためのマナーとされています。加えて、サウナでの発汗を促す効果も期待できます。
■サウナに入り、自分の居場所を決める
サウナ室は段状の造りになっていることが多く、下の段から上の段に向かって温度が高くなります。初心者や熱気が苦手な方はまず下の段で慣れていくのがおすすめです。施設がサウナマットやタオルを用意している場合は敷いてから座りましょう。マイマット・マイタオルを持参するのも良いでしょう。
■無理のない時間でサウナを出る
サウナ室内でよく見かけるのが、12分で針が一周する時計「12分計」。これは、サウナ室内で過ごす適正時間が6~12分前後とされていることによります。この時間を目安に無理のない範囲で過ごすことを意識しましょう。体調が悪くなりそうな場合は時間を気にせず早めに出ることを心がけます。
また、サウナ室を退出するときなど、ドアの開閉はサウナ室内の熱気が逃げやすいので静かに行いましょう。
■かけ湯やシャワーで体の汗を流し、水風呂に入る
サウナ室から汗まみれのまま水風呂へ入る行為は、サウナー(サウナ愛好家)たちの間で「汗カット(汗流しカット)」と呼ばれ、不衛生で不快な思いをさせてしまいます。サウナ室から出たらまずはシャワー(水でもお湯でもOK)を浴びるか、湯桶で足元、胸元に少しずつ冷たい水をかけてから、ゆっくりと水風呂へ浸かります。急に水風呂へ飛び込むとヒートショック(血圧の乱高下による立ちくらみや失神、心筋梗塞などの症状)を起こすこともありますから、マナーだけでなく自分を守るためにも欠かせないルーティンです。
■水分をとって休憩(外気浴)
水風呂に入る時間は水温や体調などにもよりますが、1~2分程度を目安にすると良いでしょう。上がったら、水分をとって風通しの良い場所で数分休憩します。外の空気を浴びられる「外気浴」のスペースがある施設の場合は、ぜひ利用してみましょう。
休憩後は、下記のように休憩をはさみつつ繰り返していきましょう。
・サウナ→水風呂→休憩→サウナ→水風呂→休憩
・サウナ→水風呂→サウナ→水風呂→休憩
ととのうのは休憩時とされていますが、どのタイミングの休憩でととのうかは個人差もあるうえ、サウナ室や水風呂、休憩場所などの環境によっても違ってきます。最初の休憩でいきなりととのうこともあれば、繰り返してもなかなかととのわないこともあるのです。
ただし、思うようにととのわないからといって、むやみに繰り返すと体調不良につながります。「サウナ→水風呂→休憩」×3~4セット程度までを目安に切り上げるようにしましょう。
サウナでおすすめの持ち物リスト
サウナ施設や銭湯によっては、備え付けのタオルやケア用品があったり、「手ぶらセット」を用意したりしていることもありますが、その内容は施設によってさまざま。ここでは、おすすめの持ち物リストを紹介します。
■タオル2枚
「フェイスタオルを浴場やサウナ室へ持って入り、バスタオルを湯上がり用にロッカーへ入れておく」など、「中で使う用・外で使う用」の2枚があると安心です。
■洗顔アイテム、シャンプーセット、ボディソープ
施設に備え付けてあることも多い一方、町の銭湯ではボディソープやシャンプーセットも持参するか購入しなければならないこともあります。あらかじめ備え付けがあるか調べておき、わからない場合は持参できると安心です。
■着替え、ビニール袋
ほかのものはその場で買って間に合わせられても、サイズがある着替えは簡単には調達できないこともあります。また、タオルなど濡れたものを入れるビニール袋や防水バッグがあるとカバンの中でほかの荷物が濡れる心配もありません。
■スキンケアアイテム、ヘアケアアイテム
サウナは保湿力を高めるとはいえ、上がった直後は水分が奪われた状態ですから、自分のお肌に合った保湿アイテムが欠かせません。ドライヤーで髪を乾かす際にヘアケアアイテムを使っているのであれば、それも小分けにするなどして持参できると安心です。
■(あると便利かも)小銭、ヘアゴム
町の銭湯やスーパー銭湯では、靴箱やロッカーがコイン返却式になっていたり、ドライヤーを使うために10~30円程度の料金がかかったりすることがあります。施設でも両替に対応しているケースがほとんどですが、あらかじめ100円玉、10円玉を持参できるとスムーズに利用できます。
また、公共の浴場では湯船に髪を浸けないのがマナーですから、髪の長い方はまとめるためのヘアゴムなども持参しておきましょう。ロッカーキーのバンド部分で髪をまとめている様子も見かけられますが、バンドが伸びて傷んだり、髪の毛が絡みついたりしてしまうためマナー違反と言われがちなので、避けておくのが良いでしょう。
ここでご紹介した入り方はごく基本的なものですから、体調や快適さなどを踏まえて自分なりに調整してみましょう。ただし無理は禁物!健康な方でも貧血や立ちくらみを起こしてしまうことがしばしばありますから、「限界を超えようとしない」くらいの気持ちで、サウナを楽しんでくださいね。