消費電力の多い家電品目を押さえておこう
■エアコン・冷蔵庫・照明は電気を使う!
資源エネルギー庁ウェブサイト 「省エネルギー政策について」
経済産業省 資源エネルギー庁「省エネポータルサイト」によると、夏季も冬季も家庭における電力消費割合は「エアコン」が1位、「冷蔵庫」が2位。3位こそ「照明」(夏季)と「給湯」(冬季)に分かれるものの、冬季に照明の割合が減るわけではなく、夏冬を合計すると3位になります。ちなみに、「待機電力※」も気になるところです。
※電源を切った状態でもわずかに消費される電力のこと
電力消費割合トップ3品目、それぞれの節約術をご紹介
では、それぞれの家電製品における節約術にはどういった方法があるのでしょうか?
さっそく見ていきましょう。
■エアコンでの節約術
温度を下げる代わりに風を調整してみる
暑いと感じるとついエアコンの設定温度を下げがちですが、冷房時は設定温度を1℃高くしておくことで約10%の電気を節約できます。代わりに、風が当たる角度を調整したり、風量を強くしたりすることで体感温度を下げるのがおすすめ。
暖房の場合も同様で、設定温度を1℃低くしておくことで約10%の電気を節約できますから、着るものなどで調整しつつ体感温度を上げてみましょう。
ちなみに、エアコンは電源オン・オフ時が一番電力を消費しますから、短時間に何度もオン・オフするのは控え、設定温度を変えて調整してみましょう。また熱中症などのリスクを避けるためにも、エアコン使用自体を無理に控えるのはやめましょう。
カーテンなどで夏の日差しや冬の冷気を遮る
夏は窓からの日差しを遮れば、そもそも室温が上がるのを防げますし、冬は冷気が入り込むのを防ぐことで室温が下がりにくくなり、エアコンに余計な負担をかけずに済みます。お出かけする時は昼間でもカーテンを閉めておくと良いでしょう。
冷房・暖房中はドア・窓の開閉を控えて、熱気・冷気を入れない
冷房中の部屋に外から熱気が入ってくると、それを冷やすため余分に電気を使います。暖房中の部屋も同様で、外から冷気が入ってくると余分に電気を使ってしまいます。冷蔵庫と同じだと思って、素早く無駄のない開閉を心がけましょう。
扇風機・サーキュレーターで体感温度を調整する
扇風機やサーキュレーターは、冷房で冷たくなった空気を循環させ、体感温度を下げてくれます。もちろんエアコンの風と同じように、直接サーキュレーターの風に当たればさらに涼しく感じられます。暖房と併用する場合も温まった空気を循環させ、体感温度を上げてくれますよ。
フィルターはこまめに掃除を
経済産業省 資源エネルギー庁「省エネポータルサイト」によると(※1)、フィルターが目詰まりしているエアコンとフィルターを清掃したエアコンを比較した場合、フィルターを清掃したエアコンのほうが電気代を節約できます。フィルターのカビ発生を防ぐことにもつながるので、2週間に1回(月2回)を目安に、掃除を心がけましょう。
室外機の周りに物を置かない
室外機、特に吹き出し口周辺などの風通しが悪いと冷暖房の効率が下がります。室外機は家の裏手にあることが多いので、つい近くに自転車や植物などを置きがちですが、まずは風通しを確保しましょう。降雪時、雪に埋もれさせない対策もとりたいところです。
■冷蔵庫での節約術
無駄な開閉を控えて、温かいものは室内で冷ましてから保存
開けっ放しにするとアラートが鳴る冷蔵庫は多いですが、これは庫内の冷気を逃して冷蔵庫に負担がかかるのを防ぐため。温かい料理などを冷蔵庫で保存する場合も、室内である程度冷ましてから庫内へ入れ、冷蔵庫への負担を避けましょう。
冷蔵庫内の温度設定を下げ過ぎない
エアコンと違って「冷え過ぎている」ことがわかりにくい冷蔵庫。気づいたら奥のほうの食材が凍っていたなんてことはないでしょうか?もちろん、設定を弱め過ぎて食材が傷んでしまうのは本末転倒ですが、適切な温度設定を意識してみましょう。
冷蔵庫の中を整理して効率良く冷やす
中身が多過ぎる冷蔵庫は負担も大きく、電気を余計に使ってしまいます。賞味期限切れの品や常温保存できる品が入れっぱなしになっていないかチェックして、必要なものを効率良く冷やすようにしましょう。
壁から適切な間隔を空けて設置する
経済産業省 資源エネルギー庁「省エネポータルサイト」によると(※2)、冷蔵庫の上・左右が壁に接していると、左右片側のみが壁に接しているのに比べて余分に電気代がかかるとされています。
パッキンも古くなっていないかチェック!
ドアのパッキンは経年劣化ですき間ができ、冷気を外にもれさせてしまいます。時折、カードなど少し厚めの紙を挟んで閉めてみましょう。ずり落ちるようになったら、パッキン交換を考えたいところです。
■照明での節電術
居室以外の電気は消すなど点灯時間を短く
家中の電気を、なんとなく寝るまでつけっぱなしにしていませんか?廊下や使っていない部屋の電気は必要な時につけるようにして、点灯時間を短くしてみましょう。電気の節約に加えて上質な睡眠のためにも、就寝前は徐々に明るさを控えていくほうが良いので、居室や寝室の照明も徐々に弱めるなど工夫したいところです。
「そもそも」を見直してみるのも節約につながる
■古い家電を省エネモデルに買い替える
エアコンや冷蔵庫、照明器具は年々省エネ性能が上がっています。古いモデルから買い替えるだけでも、電気の節約につながるかもしれません。買い換えた家電や、お手持ちの家電に省エネに特化した機能がある場合はそれも活用しましょう。
また、電球の種類も、白熱電球から蛍光ランプへ、蛍光ランプからLEDランプへと替えることで、消費する電気の量が減って節約につながります。さらに、明るさを抑えることでも電気の節約になりますから、必要以上に明るい照明を使っている場所がないか見直してみると良いでしょう。
■電力の契約容量を見直してみる
いざという時ブレーカーが落ちるのは嫌だからと、必要以上に大きな容量で電力契約をしていないでしょうか?消費電力の大きい家電をいくつも同時に使わないなど、ちょっとした工夫で契約容量を縮小することも、電気の基本料金が下がって節約につながります。
今回は家でできる電気の節約術をご紹介しましたが、冷房の効いた公共施設や商業施設へ出かけるなど、涼しい場所に集まることで家や部屋の冷房使用を控える「クールシェア」や、同様の方法で暖房使用を控える「ウォームシェア」もおすすめの節約術です。ご自身やご家族に合った無理のない方法で、できるだけ楽しみながら電気の節約に取り組んでいきましょう。