「食べ合わせ」をポジティブに!「フードシナジー」とは?
食材には「相性の良い食べ合わせ」があり、双方の食材が持つ栄養素が相乗効果を生み、一緒に食べることで栄養価が高まる、“ポジティブな食べ合わせ”のことをフードシナジーといいます。近年食事の栄養バランスが見直されるなかで注目されています。
ただ、「食べ合わせ」といっても、日本で昔から言い伝えられている「〇〇と△△を一緒に食べるとおなかを壊す・体を冷やす・胃に負担がかかる」といったネガティブなものではありません。今回ご紹介する食材の組み合わせには、美容の効果が期待できる栄養をより良い形で摂れるフードシナジーもあります。
今日から取り入れたい「内側から美しくなるフードシナジー」
続いては、一緒に食べることで美容面でのフードシナジーが期待できる、いわば「内側から美しくなる」食べ合わせの例をご紹介しましょう。
■サツマイモ&味噌:肌・髪
味噌は、髪やお肌のハリ・ツヤを生むコラーゲンの生成に欠かせない「鉄分」が豊富な食材です。サツマイモのビタミンCは単体でもお肌に良い栄養素ですが、味噌と一緒に摂ることで、鉄分吸収を高める相乗効果も期待できます。
おすすめメニューは「サツマイモのみそ汁」。
一般的にビタミンCは熱に弱い栄養素ですが、サツマイモに含まれるビタミンCは熱に強いので、しっかり加熱してもOKです。ほうれん草など、鉄分の多い食材をさらに組み合わせるのも良いですよ。
■えのきと生ネギ:肌・髪
えのきの「ビタミンB1」はストレスを和らげる栄養素で、生ネギのアリシンと一緒に摂ることで吸収されやすくなります。また、えのきのパントテン酸はネギに含まれるビタミンCがコラーゲンを生成するのを助け、髪やお肌が健やかになる効果が期待できます。
おすすめメニューは「きのこのホイル焼き 生ネギ添え」。
パントテン酸はきのこ類全般に多く含まれますし、食物繊維もたっぷり摂れますから、ぜひいろいろな種類のきのこを入れていただきましょう。
そのほか、きのこのおすすめの食べ方については下記記事でも紹介しているので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
■鱈(タラ)と白菜:肌
鱈の良質な「たんぱく質」は肌を作る元になりますし、白菜に豊富に含まれる「ビタミンC」も、お肌を健やかに保つ栄養素です。
おすすめメニューは鱈鍋や鱈のキムチ鍋などの「鍋料理」。
白菜のビタミンCはサツマイモと違って熱に弱いものですが、鍋なら加熱することでしんなりして量をたくさん食べやすいので、それによって補うことができます。キムチ鍋は唐辛子に含まれるカプサイシンで代謝を高める効果も期待できますよ!
■牡蠣と牛乳:肌・髪
牡蠣の成分のひとつ「亜鉛」は、肌の美容に関わる新陳代謝を促す栄養素で、牛乳などの動物性たんぱく質と一緒に摂ることで吸収が良くなります。
また、牡蠣にはコラーゲンの生成に関わる「鉄分」もたっぷり含まれていて、たんぱく質やビタミンCの多い食材と一緒に食べると吸収率がアップします。
おすすめメニューは「牡蠣のクリームシチュー」。
牛乳とあわせて野菜類もたっぷりいただけます。汁ごと食べるので、ビタミンCなど水分に溶けやすい栄養素を逃さないところもポイントです。
■ブロッコリーとアーモンド:アンチエイジング
ブロッコリーはβカロテンやビタミンCが多く、アーモンドはビタミンEが豊富な食材です。これらの栄養素はいずれも抗酸化作用に優れていて、一緒に食べることでアンチエイジングの相乗効果が期待できます。抗酸化作用については、こちらの記事も参考にしてみてください。
おすすめメニューは「ブロッコリーとアーモンドのサラダ」。
βカロテンは油に溶けやすい性質なので、油と一緒に摂ると吸収率が高まります。ドレッシングはオリーブオイルなどヘルシーな油を使ったものを選んで、βカロテンの吸収を高める効果もプラスしてみましょう。
■マグロとアボカド:肌・髪
マグロに豊富に含まれるビタミンB6、アボカドに多く含まれるビタミンC、Eは、いずれも髪や肌の健やかな美しさを保つ栄養素です。和食・洋食どちらにもアレンジしやすく人気の組み合わせですが、美容面でも一緒に食べることで相乗効果が期待できます。
おすすめメニューはマグロのブツ切りとアボカドを載せるハワイ料理の「ポキ丼」。
ビタミンEが豊富なゴマや、ミネラルが豊富な焼き海苔など、薬味には美容効果の高い食材をぜひ。
また、現代の日本では、カロリーは摂れているのに栄養が足りていない「新型栄養失調」という方が増えています。大人女性に不足がちな栄養素をまとめている記事もありますので、ぜひご覧ください。
「あの食材はヘルシーだ」、「この食材は美容に良い」など、食材単体で注目することはあっても、組み合わせまでは気にしていなかった!という方もいるかもしれません。「食事はバランス良く」が基本といわれますが、フードシナジーについて少しでも知っていると、食材をバランス良く組み合わせることも面白くなってきます。
今回ご紹介した組み合わせ以外にももちろんたくさんありますので、ぜひ自分に合ったフードシナジー&メニューを見つけてみてくださいね。