健康やせを目指す近道は、「やっちゃダメなことをしない」
太りやすい理由はいろいろですが、今回はおおまかに「ストレス」、「脂肪」、「むくみ」の3つにタイプを分けて、改善ポイントとおすすめ食材の色を紹介していきます。2つ以上のタイプに心当たりがある方は、複合タイプです。最も心当たりのある食材色をメインに、次点をサブの色にして、メニューを考えてみると良いでしょう。
■避けるべき食事「肥甘厚味」と「生冷飲食」とは?
「ストレス」、「脂肪」、「むくみ」、全てのタイプに共通のルールがあります。
それは、脂っこいもの・甘いもの・味の濃いものを指す「肥甘厚味(ひかんこうみ)」と、生野菜や刺し身などのなまもの・冷たいものを指す「生冷飲食(せいれいいんしょく)」をできるだけ摂らないことです。
「肥甘厚味」と「生冷飲食」を避けることは、ダイエットだけでなく、さまざまな不調を改善するベースとなるので、常に気をつけておきたいことです。今回ご紹介するおすすめ食材も、味付けはやさしく、温かい状態で食べるのが理想です。
これは薬膳や漢方ではよく知られていることですが、良いとされることをいろいろと試すよりも、やってはいけないことをやめることのほうが、効果が早く出ます。普段から「肥甘厚味」と「生冷飲食」を好む方は、それらを避けるだけでも不調が改善するはずです。
また、運動不足や過剰なダイエット、寝る直前の飲食や夜ふかし、お酒の飲みすぎなど、身体に悪いと分かっていることを避けるだけでも、体調は改善していきます。ぜひ試してみてくださいね。
体質を見極めて、「多いものは捨てて、足りないものを補う」
「気・血・水」という言葉を聞いたことはあるでしょうか?薬膳において、健康とは「陰」と「陽」のバランスがとれている状態を言い、さらに、「陰」と「陽」は、「気・血・水」に分けられます。
陰…血(血液とほぼ同じ意味)&水(血以外の全ての体液、潤い)
陽…気(生命維持や活動に必要なエネルギー)
陰陽のバランスをとるための大原則は、「過剰を排出し、不足を補う」こと。たとえば、むくみが余分な「水」の滞りによるならば水はけを良くする食材を、また、疲れやすい・気力のない方は「気」の不足が疑えるので、気を補う食材をそれぞれ摂るようにしてみましょう。
「過剰を排出し、不足を補う」ことは、ダイエットにも応用できます。薬膳が効果を発揮するためには、「なぜそうなったか」を知ることが大切です。原因を探り、自分に合った食材を選んで気・血・水のバランスを整えていけば、結果的に健康的な体型へとリセットされていきますよ。
では、「ストレス」、「脂肪」、「むくみ」の3タイプの特徴とおすすめ食材を見ていきましょう!
ストレス太りには「白と黒の食材」
■こんな方は「ストレス太りタイプ」
イライラ怒りっぽい、のぼせる、落ち込みやすい、すぐ疲れる、息切れ、風邪をひきやすい、タバコを吸う、お酒をよく飲む、生活が不規則……当てはまる項目が多い方は、生命エネルギーである「気」が不足している、または、気の滞りなどが考えられます。
■おすすめは、「気」を巡らせる&過食を抑える食材
気を鎮めつつ、ストレス性の過食を解消する食材である、大根・レンコン・大豆・豆腐などの「白い食材」を積極的に摂りましょう。
また、老廃物の排泄を促す「黒い食材」もおすすめ。こんにゃく、黒ごま、きのこ、ナス、黒酢、海藻類などがあります。温かいプーアール茶も良いですよ。
のぼせが強い方は、熱を冷ます食材を食べるのも良いでしょう。もやし、たけのこ、トマト、しじみ、あさり、タコ、ひじき、スイカ、柿などがあります。ただし、のぼせと同時に冷えもある方は、食べ過ぎに注意してください。
脂肪太りには「青(緑)の食材」
■こんな方は「脂肪太りタイプ」
顔色が悪い、肌荒れする、頭痛持ち、目がかすむ、爪が弱い、足がつりやすい、生理不順など。当てはまる項目が多い方は、栄養を運ぶ「血」の巡りがうまくいかずに、栄養がいきわたっていない状態と考えられます。
■おすすめは、「血」の巡りを良くする食材
浄血・降圧作用のセロリ、造血作用のあるほうれん草や、血の滞りを流してくれるニラ・パセリ・水菜など、「青菜」を積極的に摂りましょう。生で食べられるものが多いですが、生冷飲食はどのタイプでも避けてほしい食べ方です。加熱して温かい状態で食べたほうが胃にやさしく、かさが減ってたくさん食べられます。
むくみ・水太りには「黄と赤の食材」
■こんな方は「むくみ・水太りタイプ」
顔や手足がむくむ、汗かき、身体が重だるい、冷えがある、ムカムカする、寝付きが悪い、眠りが浅いなど。当てはまる項目が多い方は、「血・水」の巡りが滞って余分にたまった状態と考えられます。代謝が下がっているため胃腸の働きも弱く、むくみや冷えを招いていると考えます。
■おすすめは、胃の働きを助けて、過剰な「水」を排出する食材
まずは代謝を上げるために、胃腸の働きを助けて、身体を温める生姜・カボチャ・じゃがいもなどの「黄色い食材」を摂りましょう。「水」の滞りを改善するトマト、ニンジン、小豆、リンゴといった「赤い食材」も食事に取り入れてみてください。胃が弱っている時は、油で炒めるよりも蒸すか茹でるかで調理し、根菜はしっかり柔らかくなるまで加熱することで消化しやすくなります。
症状や悩みに合わせて食材を組み合わせる薬膳は、あなただけのオーダーメイドの健康法。自分に合う食材の色で体調を整えれば、自然で無理のない健康やせに近づけます。健康的なダイエットはもちろんのこと、ちょっとのことでは体調を崩さない身体になっていきますので、ぜひ今日から試してみてくださいね。