ゆず湯やみかん湯……柑橘湯には「リモネン」の美容効果がたっぷり!
■美容の大敵「冷え」を防いで「温まりやすく、冷めにくい」
水道水のお湯と、ゆず湯・みかん湯などの柑橘湯に入浴した場合では、柑橘湯の方がより体温も上がりやすく、保温効果も続きやすいという実験結果があります。これは、柑橘系の香り成分「リモネン」の新陳代謝を促す効果をはじめとする、柑橘の実や皮に含まれる成分や香り成分などの効果が少しずつ混ざり合って表れたものだと考えられています。だからこそ柑橘湯は、冷え性の方にもピッタリの入浴法なのです。
■香り成分によってリラックス&リフレッシュしながら「燃えやすい」体に
「リモネン」は、体内に吸収されるとリラックスさせる効果があるとされています。また、自律神経を刺激して活動や休息をつかさどる交感神経を活発にさせ、新陳代謝を促すのでリフレッシュ効果も。なにより、新陳代謝が高まることによって脂肪が燃焼しやすくなり、ダイエットのサポートも期待できますよ。
■保湿効果やお肌を守る働きで、冬のスキンケアをサポート
「リモネン」には、皮膚に膜を作って、肌の水分を蒸発させずにキープする保湿効果も見られます。また、柑橘類に豊富に含まれる「ビタミンC」には、水道水の影響からお肌を守る働きがあります。それに加えて、リモネンには皮膚から成分を吸収させる働きもあります。柑橘湯に入るとお肌がしっとりするように感じられるのは、こうしたさまざまな働きの相乗効果によるものなのですね。
おうちで手軽に!柑橘湯の楽しみ方
ここからは、おうちで楽しめる柑橘湯の入り方とそのポイントをご紹介していきます。
■ゆず湯はゆずを切る・絞る・皮を使うなどお肌に合わせて
ゆず湯は流水で洗ったゆずを丸ごと湯船に浮かべて入ってもいいですし、カットして香りを出やすくしたり、お湯に果汁を絞ったり、皮だけを使ったりと自由に楽しめます。ただし、絞ると美容効果のある成分もたっぷり出る代わりに、お肌に刺激のある成分も多くなりますから要注意です。輪切りや皮だけであれば絞るよりも刺激は少ないですが、肌がピリピリしやすく敏感な方は、最も刺激が少ない「丸ごと浮かべる」方法がおすすめです。
■みかん湯(ちんぴ湯)は食べた後の皮を使うのでより手軽に
みかんは「ビタミンC」に加えて疲労回復効果に優れた「クエン酸」も豊富ですが、取り入れるには実を食べるのが一番。「リモネン」はみかんの皮にもたっぷり含まれていますから、食べた後に残った皮だけを使いましょう。皮は家庭のお風呂で5個分くらいが目安です。1週間ほど陰干しするか、両面2分ずつ電子レンジにかけ、水分を抜いてからお風呂に入れましょう。
■柑橘湯に入る際の注意点
美容効果たっぷりの柑橘湯ですが、入り方には注意点も。まず、潰れた果実や細かい皮などがお湯に浮いたまま追い炊きをすると、配管に入り込んでお風呂の故障につながることがあります。心配な場合は洗濯ネットを使うなど、お湯を汚さないようひと工夫しましょう。
また、リモネンなどの成分は紫外線と反応してお肌を刺激します。湯上がりに日にあたりやすい朝・昼の柑橘湯は避け、お風呂から上がる際にはシャワーを浴びて、柑橘成分を洗い流しておきましょう。
ゆず湯やみかん湯だけでなく、レモンやかぼす、ぼんたんなどさまざまな果実で楽しめるのも柑橘湯のうれしいところ。ただし輸入フルーツなど、表面に農薬やワックスがかかっている可能性がある場合は、お湯に入れる前にたわしなどでしっかりと洗っておきましょう。
香りを楽しみながら、体を温めてお肌も健康的に美しくなれる柑橘湯は魅力的ですよね。まだまだ寒い日が続きますが、柑橘類もたくさん店頭に並びますから、ぜひ気軽に取り入れてみてください。