「映える写真」とは?
「映える」写真といっても、そのノウハウは被写体やシチュエーションなどによってさまざまです。すべてに共通するポイントはほぼないといっても過言ではありません。そこで、今回はスマートフォンで撮影する機会が多い「花」、「料理」、「人」に絞って、ごく基本的な撮影のポイントをご紹介します。
映える花を撮るポイントは「距離」
■花にはなるべく近づくのがおすすめ
<失敗例>
桜や梅、桃など一輪が小さい花は、離れたところから満開の様子を撮っても、慣れていない人だと上の写真のように白っぽくモワモワした感じで撮れてしまい、目で見たような華やかな雰囲気が出にくくなります。
まずは花の形がはっきりとわかるくらい1つの枝に近づいて、ほかの花は背景にするつもりで撮ると、花の美しさも、満開の様子も伝わりやすい写真になるでしょう。
■遠景で撮る場合は枝を意識して
遠くから花を撮る時は、花だけでなく枝ぶりがきれいに見える構図を選ぶと、バランスの良い写真になります。花が逆光になると暗く見えがちですから、日当たりも意識しておきましょう。
映える料理を撮るポイントは「構図」
■余計なものが入らないよう片付けて
食べる前になにげなく1枚撮った写真。外食ならおしぼりやストローの袋、おうちごはんなら調味料やボックスティッシュなど……料理に関係のないアイテムが写り込んでいませんか?
カトラリーやグラスなどあえて配置しているものではなく、こうした余計なものが端に見切れていると、見る人の気が散って、主役が目立たなくなってしまいます。撮る本人ほど気づきにくいので、要注意です。
■あえての外し、画面から少し欠けさせる方法で主役をはっきり
主役の料理は真ん中、お皿やグラスは画面に欠けることなく収まるように……一見、正しい撮り方のように思えますが、実はあえて主役を真ん中から外したり、お皿や、場合によっては料理も画面から少し欠けるくらい寄った方が、画面の中で料理の占める割合が広くなり、料理自体が目に入りやすくなります。
■少し斜めの逆光で撮ろう
料理全体にしっかり光が当たっていると明るく撮れて良さそうですが、影ができないので立体感がなく、のっぺりとした印象になってしまいます。完全な逆光だと料理全体が暗くなってしまうので、斜めに光が当たり、反対側に少し影ができる少し斜めの逆光を意識してみましょう。こうすることで、油やソースなどにも光が反射して、照りがキレイに撮れます。
映える人物を撮るポイントは「明るさ」
■角度を工夫してみよう
室内での写真は、逆光を避け、顔の前~横から光が当たる場所で撮ると、加工しなくても顔が暗くなりません。また、普通に立ってスマホを構えるだけでなく、少し高い位置から見下ろす角度で構えたり、実際に一段高い位置から角度をつけたりして撮ってみると、目元は大きく、あごは細く映ります。また、上から撮ることで顔に影ができにくく、表情も明るく若々しく見えます。
自撮りで高い位置にカメラを構える人が多いのは、こうしたテクニックのひとつでもあるのです。
■白いものをレフ板代わりに
写真撮影の時に、白やシルバーのボードを向けられたことはないでしょうか。これはレフ板といって、人の顔などに光を反射させ、自然に明るく撮るための道具です。
実は専用のレフ板でなくても、白い紙や白いハンカチなどを使えば、同じような効果を作ることができます。写り込まないところで誰かに持ってもらっても良いですし、胸から上しか写らないといった場合は、モデルに自分で持ってもらってもOK。紙の角度を変えながら、顔が一番明るく見える角度を探してみましょう。白い服を着てもらうのも効果的です。顔色が一段明るくなり、肌色の美しい写真を撮ることができます。
■集合写真はカメラに近づいて
料理の写真と同じように、集合写真もつい全身をしっかり収めてしまいがち。足元を撮る必要がないのであれば、思い切って足元が入りきらないほどカメラと近づいてみましょう。背景とのバランスを保ちつつ、表情や手元など、重要なところを大きく写すことができます。5人以上の場合は、横一列より二列に並んで撮るのがおすすめです。
高価なカメラを使ったり、アプリで画像を加工しなくても、今回ご紹介したような、ちょっとした工夫で写真はグッと映えるんです。今年の春は「素敵!」と思った風景や料理をキレイに撮影して、楽しい写真をたくさん撮ってくださいね♪