ボディスキャン瞑想はこんな人におすすめ
できるだけおうちで過ごす生活にシフトして、もうずいぶん経ちました。出かける機会が減った分、ONとOFFの境があいまいで、気持ちの切り替えが苦手になった方も少なくないようです。
その結果、「いつもうっすら緊張している」、「休んでも休んだ気がしない」といった“なんとなく不調”を抱える方が増えています。「ボディスキャン瞑想」は、以下のような不調を感じる方に効果を発揮します。
・のんびりしていても、気が休まらない
・集中力が続かない、やる気が出ない
・疲れているはずなのに寝付けない、寝ても疲れが取れない
・イライラしたり沈み込んだり、気持ちのゆらぎが激しくなった
ボディスキャン瞑想の方法
ボディスキャン瞑想は、体のパーツに意識を集中して、スキャンしていくように意識をめぐらせることで、身体と心のつながりを回復させるというもの。立っても座っても、また横になってもできるので、やる気が出ない仕事中はデスクで、寝付きの良くない夜はベッドに入ってからと、その時々にできる体勢で試してみてください。
■ボディスキャン瞑想の基本手順
1:楽な姿勢をとります。立つ・座る・横になる、どれでもOKです。
2:軽く目を閉じ、ゆっくりと呼吸します。
3:まずは頭部からはじめます。虫眼鏡を使って細部を観察するようなイメージで、頭から両腕へ、両腕から胸へ……と意識を移動させていきましょう(つま先から上がっていってもOK)。詳しくは、次段落のスキャン例を参照してください。
4:こわばりや緊張、疲れなど、リラックスできていない感覚をキャッチするかもしれません。そうしたら、その部分に「新鮮な空気を送り込んで、吐き出すと同時に緩める」イメージで静かに呼吸を続けます。
5:違和感が和らいだら、次のパーツへ進みましょう。
6:ひとつのパーツごとに数秒〜10秒くらいを目安に、つま先までいけば完了です。時間がない時は「頭と首」、「肩と胸」など一部だけでも構いません。
各パーツのスキャン例
次に、どれくらいのパーツに分ければ良いのかという一例をご紹介します。時間がなければいくつかのパーツをまとめてもOK。気になるところだけ丁寧にスキャンしても大丈夫です。
厳密なルールがないのがこの瞑想法の良いところ。厳密すぎてもリラックスの妨げになりますから、「頭から足先まで、少しずつ意識を下げ(または上げ)ていけばOK」くらいの気持ちではじめてみてくださいね。
■頭のスキャン
頭皮からはじめて、おでこ、眉、目、頬、口周り、首へと意識をめぐらせていきます。重たい感じがないか、力んでいるところはないかチェックします。
■腕のスキャン
両腕同時スキャンでも、片腕ずつでも構いません。肩、脇、二の腕、ひじ、上腕、手のひら、指一本一本をじっくり観察します。肩から指先でも、指先から肩でも、やりやすい方向でみていきましょう。
■体幹部のスキャン
腕のスキャンが終わったら、体幹部へ移ります。鎖骨周り、胸、背中にまわって上半分・下半分、前に戻って胃のあたり、おへそ周りと下がっていきます。肩甲骨がこわばっていないか、背中に力が入りすぎていないか、おなかに不快感がないかなどをスキャンします。
■腰〜脚のスキャン
腰周り、股関節、太もも、ひざ・ひざ裏、ふくらはぎ、すね、足首、足の甲、足裏、指。時間があれば足の指一本一本丹念にみていきましょう。
短時間でも深いリラックスを実感!
「頭と心を空っぽにする」という瞑想法は、やってみるとかなりハードルが高いもの。一瞬気持ちが静かになったと思っても、またすぐに何かを思いついてしまいます。その点、ボディスキャン瞑想は「身体のパーツに意識を集中する」という分かりやすい目的があるので、取り組みやすいはずです。
慣れてくるとセンサーの感度が上がり、心身の小さな不調に気づきやすくなります。もちろん、気持ちを落ち着かせリラックスしたり、集中力をアップさせる瞑想の効果も期待できます。
どこかに行ったり、誰かと会ったり、これまで普通にできていたことが難しくなりました。リラックスやリフレッシュできる方法をたくさんストックしておいて、その時々で使えるようにしたいですね。多くの方が効果を実感できるボディスキャン瞑想もそのひとつ。今夜ベッドに入ったら、軽い気持ちで試してみてくださいね。