姿勢を意識で、食べる姿は格段にキレイになる
立っていても座っていても、もちろん食事中も、姿勢はその人のイメージを決める重要な要素。マナーは完璧だったとしても、姿勢が残念だと美しく見えません。
食事の席についたら背筋を伸ばし、テーブルと体はこぶしひとつ分くらい距離をとりましょう。背中が丸まっているとテーブルに覆いかぶさるようになり、その気はなくともがっついているように見えてしまうのでご注意を。
■脇を軽く締めて、ひじの位置を下げると優雅に
食事中にひじが上がっているとセカセカ忙しそうな印象になり、反対にひじが下がっているとゆったりして見えます。カトラリーやグラスを持ったら、意識して脇を軽く締め、ひじが上がらないようにしましょう。ひじを意識すると、ひじや頬づえをつくといったうっかりマナー違反もしにくくなります。
■空いた手をテーブルの下に置かない
カトラリーなどを持っていないほうの手は、テーブルに乗せるか、軽くお皿に添えましょう。テーブルの下に隠れていると、「片手食い」しているように見えてしまいます。
■食事中はスマホを見ない
1人の食事ではついついスマホを見ちゃう……そんな方も、人と食事をする際にはスマホを見るのはやめておきましょう。お相手に「つまらないのかな?」と気遣わせてしまいますし、マナー違反の失礼なふるまいになってしまいます。みんなで写真を撮るといったタイミング以外では、スマホをテーブルに置かない・使わないことが大前提です。
■自分で見えない「口もと」は、鏡でチェック
会食で気をつけたいのは姿勢だけではありません。食事を楽しんでいる時にふと目に入るのが、お相手の口もと。自分の口もとは見えないので、どうなっているのか気づきにくいものです。そこでおすすめなのが、1人でご飯を食べる時に鏡を置いてチェックする方法。口いっぱいに頬張る「リス食い」や舌を出して食べ物を受ける「迎え舌」をしていないか、口をちゃんと閉じて食べているか確認してみましょう。
意外とやりがち?一番使う「お箸」の使い方NG集
使用する機会の多いお箸は、昔からわかりやすくNGを説明する言葉が伝えられています。知らないとうっかりやってしまう動作もありますから、一度ざっとおさらいしてみましょう。
刺し箸(突き箸)
箸をつき刺して食べること。箸は挟んで使う道具なので、刺すのはNGです。
拾い箸(箸渡し、合わせ箸)
箸から箸へ、食べ物を受け渡すこと。遺骨を拾う動作と同じなため、大変縁起の悪いこととされています。
渡し箸
食事の途中で、器の上に箸を渡し置くこと。
涙箸
箸から、または箸でつまんだ食べ物から、汁をポタポタこぼすこと。
寄せ箸
箸で食器を引き寄せたり、押したりすること。
迷い箸(惑い箸、なまじ箸)
料理を盛った皿の上を、迷うように箸をうろうろと行き来させること。
立て箸
箸を料理に突き刺して立てること。
探り箸
器の中で、好きな物がないか探ること。または、汁椀をかき回して具を探すこと。
基本をおさらい カトラリー(フォーク・ナイフ・スプーン)の使い方
格式あるディナーではなくとも、基本となるテーブルマナーはあるものです。ここからは、カジュアルなレストランでも活かせるカトラリーの扱い方をおさえていきましょう。
■ナイフの刃やフォークの先の向きを常に意識する
ナイフの刃やフォークの先は、常に下向きか自分に向けるようにし、上向きや食事相手に向くことのないようにしましょう。会話が弾んだりお酒が進んだりすると、そうした細かいところがおろそかになりがちです。
■葉物や生ハムなど、薄いものがフォークで刺せない時は……
サラダなどの葉物野菜や、生ハムなどの薄いものはフォークで刺しにくいことがありますよね。そんな時は、フォークで食材を押さえながらナイフも使って折り重ね、厚みができたところで刺してみてください。
■カトラリーをお皿の縁に置く時
使用したフォークやナイフを置くような時、刃先だけをちょこんとお皿に乗っけていませんか? 柄の部分がお皿から大きくはみ出ると、服の袖にひっかかってしまったり、店員さんがお皿を下げにくかったり、邪魔になってしまいます。「ひっかからないくらい」を意識して、カトラリーを皿の内側に乗せましょう。
■食事中・食べた後のカトラリーの置き方
食事中にカトラリーを置く時は、フォークとナイフをハの字にしてお皿に置きます。これは店員さんへ向けた「食事中(まだ下げないでくださいね)」のサインです。
食事が終わったら、フォークを手前(背を下に)、ナイフを奥(刃は内側)にしてそろえ、5時の位置にそろえたら「食事完了」のサインとなります。このサインは日本式で、6時方向だとイギリス式、3時方向だとフランス式となります。食事内容やレストランに合わせて対応しましょう。
格式あるレストランも問題なしのお作法を身につけるのが理想ではありますが、姿勢や指先に気を配るだけでもとてもステキに見えるもの。食事相手にも好印象を残せるはずです。美しい所作で、優雅に食事を楽しんでくださいね♪