花粉症が自然治癒することは超レアケース
花粉症って、「今年はラクかな?」、「いままでで一番ツラい!」というように、年ごとに症状にゆらぎがありますよね。良い時にはこのまま治るような気さえしますが、実は症状が軽減することはあれど、花粉症が自然治癒することはごくわずか(※高齢者を除く)と言われています。
■薬やそのほか治療法
一般的に「花粉症の薬」は、鼻詰まりやくしゃみなどの症状をラクにするものであって、花粉症そのものの治療薬ではありません。
“治す”に近い方法としては、現在は2つの選択肢があります。
アレルゲン免疫療法(注射・舌下薬)
花粉の抗原を体内に吸収し慣らすことで、アレルギー反応を弱めていきます。約2年〜5年間の治療期間を要し、短時間でやめると再発しやすく、治療期間が長いほど改善率が上がるとされています。
炭酸ガスレーザー治療
鼻腔にCO2レーザーを照射し、アレルギー症状を改善させます。鼻の症状改善に効果的ですが、効果は平均1年〜2年間(長い方で5年以上)ほどです。
どちらも花粉のシーズンオフに治療をスタートする必要がありますが、いずれも保険適用できます。鼻詰まりの症状が重いなど、気になる方は医療機関、かかりつけ医に相談してみると良いでしょう。
※誰でも受けられる治療ではありませんし、有効率が100%とは限りません
治療をしない場合でも、花粉が鼻や目などの粘膜に付着する機会を減らす「自衛」はできるので、本記事も参考にしつつ、花粉シーズンを乗り切りましょう!
食べ物で症状を軽減できる?……とは限らない
ヨーグルトやチョコレート、お茶など、「花粉症対策に良いとされる食べ物」を、調べたり試したりした方は多いのではないでしょうか。食べ物は薬のような即効性はありませんが、逆に言えば薬よりも効果効能が穏やかなため、薬の副作用のような“望ましくない作用”も起こりにくいと言えます。
ただし、食事で花粉症対策を目指すなら、生活習慣全体を見直して体質改善するくらいの根気が必要です。バランスの良い食事、睡眠、運動と合わせれば、花粉症だけでなく全身の健康改善が望めます。食療法はできれば2シーズン、遅くとも1シーズン前には始めたいですが、来シーズンに向けてならばいまから取り組んでも間に合います。
万人に効くものはありませんから、食事も薬も体質や状態によって選んでいかなくてはなりません。ヨーグルトが良いと聞いて食べ続けていたら腹痛や下痢などに悩まされるようになり、病院で調べてみると乳糖の分解が苦手な体質(乳糖不耐症)だった……というケースもあります。食養生を試しても体調が良くない場合は、いったん控えてかかりつけ医に相談しましょう。
便利だけど、点鼻薬の使いすぎは悪化することも……
鼻詰まりや鼻水を楽にしてくれる点鼻薬は、花粉症に限らず、風邪の時にも役立ちます。薬局でも手軽に入手できて即効性・携帯性に優れているので重宝しますよね。ただし、多量・多頻度で使用するのは、あまりおすすめできません。
点鼻薬の種類によっては、使いすぎで症状が悪化することもあります(薬剤性鼻炎)。使えば使うほど効くというものではないので、点鼻薬が手放せないほど症状がつらい場合は、耳鼻科・皮膚科へ相談してくださいね。
花粉症がさらにつらくなる服装がある!?
花粉はつらいものの、過ごしやすい気温だとお出かけしたいですし、春めいたファッションをしたくなる時季ですよね。
しかし!花粉が気になるなら、デザインだけでなく素材もチェックしておきたいところ。布には花粉が付着しやすいものと、そうでないものがあるのです。
■花粉が比較的付着しにくい素材
花粉付着率の低い順に、綿、絹、次いでポリエステルなどの化学繊維が挙げられます。反対に花粉症がひどい方に避けてほしいのがウールで、綿の花粉付着率を100とした時、ウールはなんと980!綿よりもウールのほうが、10倍近く花粉がくっつきやすいのです。
布の素材によって花粉の付きやすさに違いがあるのは、繊維の形状や静電気の発生しやすさによるもの。そのため、静電気を防ぐ衣類用スプレーも有効です。
室内の「花粉スポット」は?
■ほこりが溜まる場所に要注意
少しでも部屋に花粉を入れないよう、玄関に入る前にコートをはたくことはよく知られています。一度入ってきた花粉は、目に見えないし手遅れ……ではありません。ほこりが溜まりやすい場所と、花粉が溜まりやすい場所はイコールなので、ほこりが溜まる場所をキレイにしておくことが、室内の花粉を減らすことにつながります。
たとえば部屋の隅、冷蔵庫の上、棚の天板、カーペット、カーテンやカーテンレールなどなどが、ほこりスポット=花粉スポットです。
また、出入りが多い場所や、クローゼットなども花粉が溜まりやすいので要注意です。
人が動いている日中は、ほこりや花粉は空中に舞っているので、効率良い花粉除去ができません。空気が動かず花粉が下に落ち着いた「朝イチ」か「帰宅後すぐ」のお掃除がおすすめです。フロアワイパーのウェットシートを使うと再飛散を抑えられるうえ、雑巾がけより楽に掃除できるので、花粉シーズンだけでもお掃除タスクに取り入れてみてくださいね。
花粉症対策はたくさんの方法が知られているものの、一つひとつを見てみると、誰にとっても有効な方法とは限りません。生活習慣の見直しやお掃除は、即効性も近道でもありませんが、やってみる価値はありそうです。
以下の記事では、トラブルが起きにくい心身のために、今日からできるあれこれをご紹介。長い目を持ってぜひ実践してみてくださいね。