下腹部やせ=腹筋トレーニングだけじゃない!
■原因を見極め、ターゲットを絞って対策を
「ぽっこり下腹部に効くトレーニング」となると、つい腹筋を鍛えるトレーニングを連想しがちです。しかし、本当に下腹部を引き締めたいなら、やみくもに腹筋トレーニングをしても効果は得られません。まずは下腹部が出ている原因を見極め、ターゲットを絞って対策をとることで、より下腹部を狙い打ちできるようになります。さっそく、下腹が出る主な原因2つを見ていきましょう。
■下腹が出る原因1:内臓脂肪が多い
内臓脂肪とは胃や腸などの内臓の周りにつく脂肪です。過剰に蓄積することで、おなか周りが大きくなり、下腹が出てきます。蓄積しやすいのは男性と言われますが、女性も閉経後は蓄積しやすくなります。
腹筋だけを鍛えても内臓脂肪は減りませんし、内臓脂肪の多い状態は生活習慣病などの健康リスクにもつながりますから、食生活や運動習慣の見直しを中心に対策してみましょう。
■下腹が出る原因2:反り腰
腰は自然な状態でもやや反っていますが、過剰に反っている状態を「反り腰」と言います。おなかを突き出すような姿勢に加えて、内臓の位置も下がるので下腹が出てきます。反り腰は女性に多いと言われます。
原因は腰の筋肉の使い過ぎや高いヒール靴などさまざまありますが、そのひとつが「腹筋が弱く、背筋とのバランスが崩れている」というもの。この場合は内臓脂肪が減少しても効果が出ないので、腹筋を鍛えていきましょう。
下腹部重視のエクササイズ
ここからは、下腹部を意識した実際のエクササイズ法をご紹介していきます。
反り腰タイプの方はもちろん、内臓脂肪タイプの方も、こうしたエクササイズが「ピンポイントには効かない」というだけで、無駄になったり、逆効果になったりするわけではありません。運動習慣のひとつとしてぜひ取り入れてみましょう。比較的ハードな動きもありますから、運動に慣れていない方は無理せず、自分のペースで少しずつ負荷を高めていきましょう。
■V字クランチ・ドローイン
片脚と上半身でV字を作る「V字クランチ」は、体幹の中でも下腹の筋肉を鍛えられるトレーニングです。また、腹式呼吸で腹筋を刺激するトレーニング「ドローイン」も組み合わせられています。
詳しいやり方については、下記の記事を参考にしてみてください。
■レッグエクステンション
「レッグエクステンション」は、椅子を使い、脚を上げてゆっくり伸脚するトレーニングです。
床ではなく椅子でやるので、家事やリモートワークの合間などにもおすすめです。
<手順>
1:背筋を伸ばして座り、座面の左右を軽くつかみます。
2:両脚を曲げながら上げ、上半身に引き寄せます。息を吸いながらやりましょう。
3:両脚を上げたままゆっくり前に伸ばします。息を吐きながらやりましょう。
4:2~3を繰り返します。1セット8~10回、時間を分けて1日2セットを目安にしましょう。
POINT
動作はゆっくり。勢いをつけると効果が下がってしまいます。また、背中が後ろに倒れないよう意識しましょう。
■レッグレイズツイスト
仰向けで脚を上げ下げしたり(レイズ)、左右に振り下ろしたり(ツイスト)するトレーニングです。簡単に負荷を調整できるので、POINTで詳しく説明します。
<手順>
1:仰向けになって両手を左右に開き、太ももは床に垂直、両脚のひざは直角になるようにゆっくり上げていきます。
2:1の状態のまま、両脚を右(または左)へゆっくり倒していきます。息を吐きながらやりましょう。
3:床につくすれすれまで倒したら、ゆっくり1の状態まで戻します。息を吸いながらやりましょう。
4:戻したら、今度は左(または右)へゆっくり倒して2~3を繰り返します。1セット8回、時間を分けて1日2セットを目安にしましょう。
POINT
8回繰り返すのがきつい方は、ひざを直角よりもさらに曲げるようにすると負荷が軽くなります。逆に慣れてきた方は、脚をまっすぐに伸ばしてやってみましょう。トレーニング中は呼吸を止めないことを意識します。
食生活や運動習慣も見直そう
■下腹部やせにも「バランスの良い食生活」が重要
内臓脂肪タイプの方はもちろん、反り腰タイプの方にも「バランスの良い食生活」はメリットが多いのです。1日の3食に分けて、ポイントを見ていきましょう。
朝食
朝食のポイントは、メニューを上手に選ぶことにあります。食べたほうが良いのはもちろんのこと、メニュー次第でダイエットの効果を高めたり、体調を整えて1日過ごしやすくなったりするのです。
詳しくは、下記の記事も参考にしてみてください。
昼食
昼食のポイントは、魚や卵、大豆などのタンパク質、野菜などの食物繊維、ビタミンをしっかり摂ることにあります。麺類や丼などの「一皿メニュー」も多くなりがちですが、糖質は控えめが吉。「野菜多めのメニューで、麺やご飯を小盛にする」、「ミニ丼に副菜や汁物がつくセットを選ぶ」などの対策を意識したいところです。
夕食
夕食のポイントは消化の良い炭水化物。胃腸を休め、1日の疲れを取りましょう。食物繊維は夕食でも積極的に摂りたいところですが、脂っこい肉などの高脂肪タンパク質は避けておきましょう。できれば20時までに食べ終え、遅くなる場合は消化しにくい食物繊維も控えめにするなど、より胃腸を気遣うことを心がけましょう。
■体全体を動かす運動習慣も併せて
下腹部に限らず、気になるパーツはつい「集中トレーニングで部分やせ」を狙いたくなるものです。ただ、「体全体を動かす運動習慣」にも、代謝アップや内臓脂肪減少など、部分やせの効果を高めるメリットがたくさん。健康的に美しくなるためにも、ぜひほかの対策と併せて取り入れてみましょう。
おすすめの運動については、下記の記事も参考にしてみてください。
「下腹部重視」といっても、ここでご紹介したエクササイズや生活習慣は日常的に役立つものが中心です。おなかが気になる方も、そうでない方もぜひ一度取り組んでみてくださいね。