体幹とは?鍛えるとどんなメリットがある?
■「体幹」は筋肉なども含めた「体の中心部」
「体幹」とは、頭(首)、腕、足以外の胴体部分、体の中心部を指します。また「インナーマッスル(深層筋)」は、体の表面からは触れることのできない、内部の筋肉のことを言います。背骨や骨盤の周囲にある「体幹のインナーマッスル」は「コアマッスル」とも呼ばれます。
コアマッスルは、安定した姿勢を維持する、関節を守る、内臓を支えるなど、体にとって重要な役割を担っています。
■体幹を鍛えることでヘルシーな体形を維持しやすく
体幹トレーニングに取り組むと、動作が安定するのでスポーツや日常生活でのケガ防止につながります。また、おなか周りを中心に体全体が引き締まるため、バランスの取れたヘルシーな体形を維持しやすくなります。
基本の「ドローイン」と「ロープランク」を覚えよう
■「ドローイン」で腹式呼吸のための筋肉を鍛える
立ったまま、寝転がったままでもできる「ドローイン」。まずはこの体幹トレーニングを覚えると良いでしょう。後ほど、トレーニングの中でも登場してきます。
立った状態でのドローイン
1:足を自然に開き、背筋を伸ばして立った状態で、腹式呼吸を使って思い切り息を吸います。
2:吸い切ったら息を止めてしばらくキープし、おなかをへこませる感覚で思い切り息を吐きます。
3:吐き切ったらここでもしばらくキープ。1~3まで1回15秒程度を目安にやってみましょう。
寝た状態でのドローイン
1:床に仰向けになり、両ヒザを立てて腹式呼吸で思い切り息を吸います。
2:吸い切ったら息を止めてしばらくキープし、おなかをへこませる感覚で思い切り息を吐きます。
3:吐き切ったらここでもしばらくキープ。1~3まで1回15秒程度を目安にやってみましょう。
POINT
吸い切った時、吐き切った時など腹筋を意識するようにしましょう。ただし体全体は、余計な力を入れず自然にしておきます。
■ロープランクは初心者でも取り組みやすい「基本にして万能選手」
ロープランクは初心者でも取り組みやすい基本のトレーニング。体幹トレーニングといえばこのポーズが思い浮かぶ方も多いのではないでしょうか。“効く”範囲も広く、体幹に加えて胸や腕、背中、足、お尻などの筋肉を同時に鍛えてくれます。
初めは「1回10秒×3回」から
<手順>
1:うつ伏せから少し体を起こし、肘が肩の真下になるよう、直角に曲げて床につけます。
2:つま先を立て、腹筋と太ももに力を入れて、体をまっすぐの状態で床から浮かせます。
POINT
おなかやヒザが下がったり、お尻が上がったりしないよう、おなかに力を入れて頭、肩、骨盤、ヒザ、かかとまで一直線をキープしましょう。1回10秒×3回から始めて、慣れてきたら少しずつ1回あたりの時間を増やしていきましょう。
脇腹に効く「サイドプランク」でくびれを作る
■横方向からおなかを引き締める効果も
サイドプランクは体幹を鍛えつつ、横方向からおなかを引き締めていくことができるトレーニングです。正面の腹筋に加えて、ウエストのくびれを作る脇腹の筋肉も鍛えられます。
■実は「基本形」が結構難しい!
イラストのように頭からかかとまで一直線の姿勢を保ったまま片腕で体を支えるポーズをよく見かけますが、初心者にはやや難しいかもしれません。まずは直角に曲げたヒザを床につき、頭からヒザまでを一直線でキープするやり方から始めてみましょう。
<手順>
1:床に横向きに寝ころび、両脚を揃えます。ヒザをつく場合は両ヒザを揃え、直角に曲げます。
2:床側の肘が肩の真下になるよう、直角に曲げて床につけます。
3:腹筋と太ももに力を入れて、頭からかかと(もしくはヒザ)がまっすぐの状態で床から浮かせます。反対側も同じように行い、交互に繰り返します。
POINT
お尻が前後に動きやすいので、特にまっすぐになるよう意識します。これもプランク同様、1回10秒×3回を目安に、短時間から始めて慣れてきたら少しずつ時間を増やすようにしましょう。
背中のインナーマッスルを鍛える「アームレッグクロスレイズ」
■左手&右足、右手&左足……対角線上の手足を持ち上げる
ここまで紹介したトレーニングでおなか側のインナーマッスルを鍛えたら、対角線上の手足を持ち上げるアームレッグクロスレイズで背中側のインナーマッスルも鍛えて、バランスを取りましょう。
サイドプランクのようにポーズ自体が難しいトレーニングではありませんが、ゆっくり動くことで小さい負荷を筋肉にかけ続けて、効果を高めていきます。
<手順>
1:四つん這いの体勢を取り、背中がまっすぐになるよう意識しながら、3~5秒かけて左手を前方に水平に伸ばすと同時に、右足を後方へ水平に伸ばします。
2:伸ばした手足と背中が水平になった状態を10~30秒キープした後、3~5秒かけてゆっくり下げます。
3:反対側(右手を前方へ、左足を後方へ)も同じように行い、交互に数回繰り返します。回数を意識し過ぎず、正しい姿勢を保つのがきつくなる程度までを目安にしましょう。
POINT
ゆっくり上げて、ゆっくり下げることを心がけましょう。「2」のキープ時間は、短時間から始めて慣れてきたら少しずつ時間を増やすようにしましょう。
下腹を引き締める「V字クランチ」
■「ドローイン」も活かしたトレーニング
V字クランチは、体幹の中でも下腹の筋肉を鍛えられるトレーニングです。また、最初に紹介したトレーニング「ドローイン」も組み合わせられています。
<手順>
1:寝たまま、片ヒザを立てた体勢でドローインします。
2:息を吐き切った状態のまま頭を起こし、ヒザを立てていない方の足を3秒かけてゆっくり上げます。
3:足をまっすぐ伸ばしたまま、3秒キープします。反対側も同じように行い、交互に繰り返します。
POINT
足を上げる時は伸ばしたまま、腰が浮かないように注意します。左右数回から始めて、慣れてきたら少しずつ回数を増やし、左右10回ずつを目指しましょう。
今回ご紹介した5つのトレーニングは、全部まとめて1セットというわけではありません。また、同じトレーニングを毎日続けると、鍛えた部分を休ませることができず、ケガのもとになったり、トレーニング効率が落ちたりしてしまいます。そこで、日替わりで違うトレーニングを1種類~数種類、体調とも相談しながら組み合わせて取り組んでいくのがおすすめです。
間違ったフォームのままがんばり続けるより、短時間でも正しいフォームで実践する方が効率的ですし、ケガを防ぐうえでも重要です。まずはまっすぐになっているか、ゆっくり動けているかを意識しながら、無理なく少しずつ体幹を鍛え、時間や回数を増やしていけるようにしましょう。