MCT(MCTオイル)とは?
■中鎖脂肪酸100%の油のこと
MCTはMedium Chain Triglyceride(ミディアム チェーン トリグリセリド)の略で、ココナッツやパームフルーツなどに含まれる成分「中鎖脂肪酸」100%の油のことを言います。「中鎖脂肪酸」は一般的な植物油に含まれている「オレイン酸」や「リノール酸」と同じ脂肪酸の仲間で、ココナッツやパームフルーツの他に、母乳や牛乳などにも含まれています。
■MCTを構成する「中鎖脂肪酸」とは?
脂肪酸は分子の長さ(炭素の数)によって、短鎖脂肪酸・中鎖脂肪酸・長鎖脂肪酸に分けられます。一般的な油の主成分は長鎖脂肪酸ですが、中鎖脂肪酸は分子が短いために肝臓での吸収が早く、すばやく分解されてエネルギーになる特徴があります。代表的な中鎖脂肪酸には「オクタン酸」、「デカン酸」があります。
■中鎖脂肪酸を摂るメリットは?
中鎖脂肪酸はBMIが高めの方のウエスト周囲径の減少、体脂肪や内臓脂肪を減らす効果が報告されており、「BMIが高めでおなかの脂肪が気になる方に適した食品」とする機能性表示食品も多数登場しています。
また、すばやくエネルギーに変換されることから、運動パフォーマンスの向上や、シニアの栄養状態改善なども期待できると言われています。
MCT(MCTオイル)を上手に取り入れるには?
では続いて、MCTを取り入れるのにおすすめの方法をご紹介しましょう。
■オイルやパウダーを飲み物や料理に取り入れて
MCTの特徴のひとつが、風味にくせがなくほかの味を邪魔しないことです。また、オイルやパウダーをそのまま飲むと体への負担が大きいので、いつもの飲み物や料理に取り入れる形で摂るのがおすすめです。
ただし、揚げ油や炒め油として使うと煙や泡が出て危険な商品もあるので要注意。こうした商品も、加熱自体がNGというわけではないので、加熱する食材にあらかじめMCTを混ぜ込んでおくなど工夫をしましょう。
食用油ですので、薬のように飲むタイミングや摂取量は決められていませんが、商品によって適度に摂取するための目安量が示されていることも多いようです。製品表示なども確認しておきましょう。
■MCT配合の加工食品を利用するのも手軽で◎
コーヒーなどの飲料や、そのまま食べられるお菓子など、MCTを配合した加工食品も多数登場しています。家で飲み物や料理にオイルを加え忘れるようなこともなく、オフィスやお出かけ先でMCTを摂りたい場合でも手間がかかりません。手軽に続けられるので、定期的にMCTを摂る習慣をつけたい方におすすめです。
■ココナッツオイルや牛乳よりもMCTそのもののほうが効率良い?
「わざわざMCT商品を買わなくても、MCTが含まれているというココナッツオイルや牛乳を摂れば良いのでは?」と考えることもあるかもしれません。しかし、ココナッツオイルや牛乳には長鎖脂肪酸などほかの成分も含まれていますので、MCTのみに注目すると効率が良いとは言えない面もあります。
一方で、ココナッツオイルには認知症の予防・改善に良いと言われる「ケトン体」、牛乳には骨を健やかにする「カルシウム」や筋肉を作る良質なたんぱく質など、MCTとは別の効果が期待できる成分も含まれています。ダイエットのサポートや健康維持のためかなど、目指すところに合わせて選ぶと良いでしょう。
MCTは短時間でエネルギーに変換される、つまり燃えやすい体作りをサポートしてくれる存在。ただMCTを摂るだけでなく、適度な運動と組み合わせることで、健康的なダイエット効果も期待できます。ぜひ、上手に日々の生活に取り入れてみてくださいね。