NISAとは?預貯金とどう違うの?
まず、NISAは、預貯金と何が違うのでしょうか?
■預貯金とは……
預貯金とは、銀行などの金融機関に預ける定期預金や普通預金のことを指します。預貯金は預けた金額が保障されています。たとえば10万円を預けたら、預けた10万円から減ることはなく、預けている間に少しの利息が付きます。
■NISAとは……
預貯金に対して、NISAは投資信託や株式を購入し運用して利益を得ることです。通常であれば、預貯金・投資信託・株式は、得た利益に対して税金を納めなくてはなりませんが、NISAは一定の金額まで得た利益が非課税となる制度です。ただし、NISAで10万円の投資信託や株式を購入した場合、値上がりによって10万円より大きな額となることもありますが、値下がりによって10万円より少なくなるケースもあります。
預貯金とNISAにはこのような違いがあるのです。
新NISAで押さえておきたいポイント
普通預金や定期預金は2024年現在では金利が低く、お金を預けても得られる利息が少ないことから、将来の資産形成の手段としてNISAを活用したいと関心を持っている方もいるでしょう。その一方で、NISAは制度の内容に難しさを感じ、値下がりすると投資したお金が全額戻らないことなどから、始めるのに不安を感じる方も多いかと思います。
国は、多くの方にNISA活用してほしいと考え、これまでのNISA制度を、2024年1月から新たに改定しました。2023年までのNISAと2024年に始まった新NISAの違いを、下の表で確認してみましょう。
旧NISAと新NISAの違い
金融庁『NISAを知る』を元にして作成
新NISAのメリットとデメリット
投資商品である新NISAにはメリットとデメリットがあります。新NISAを始める前に、確認しておきましょう。
■新NISAのメリット
新NISAの最も大きなメリットは投資の運用益や売却益が非課税であること。10万円で株式を買って、値上がりして11万円で株式を売った場合でも、税金がかからないので、そのまま1万円が利益となるのがメリット。
一方、預貯金で利息が1万円の場合は、利息のうち約2割の2,000円が税金として引かれるため、受け取れる利息は約8,000円です。
また、新NISAにはつみたて投資枠と成長投資枠があり、つみたて投資枠を利用するとコツコツと長期に投資ができるメリットがあります。日々の生活や趣味などの活動で、何かとお金が必要な方にとってはうれしいポイントです。まとまったお金の準備が難しくても、つみたて投資枠は少額から始められ、しかも期限がないため、年齢にかかわらず続けることができます。
さらに、年末調整や確定申告の必要がないこともメリットと言えるでしょう。新NISAで運用した場合は、非課税投資枠内は年末調整も確定申告も行う必要がありません。面倒な手続きが不要なことも忙しい方にとってのメリットとなります。
■新NISAのデメリット
新NISAの最も大きなデメリットは、元本割れのリスクがあること。新NISAは値上がりして運用益が出ることもありますが、値下がりして元本が減ってしまうこともあります。投資判断やリスク管理は自分で行わなければなりません。
また、非課税投資枠に上限があります。つみたて投資枠は年間120万円が上限で、それ以上は非課税での投資ができません。
そして、NISA口座は1人1口座に限られます。複数の金融機関にNISA口座を作ることができないため、あらかじめ1つの金融機関を決めておきましょう。
NISAの始め方
NISAのメリットとデメリットを理解したうえで、「NISAを始めたい!」と思った方は、銀行や証券会社などNISAを扱う金融機関を1つ選んで口座開設をします。
銀行と証券会社のNISAの違いは、選べる商品の選択肢です。銀行は投資信託が中心となりますが、証券会社は投資信託や株式などの幅広い商品を扱っているという違いがあります。また、NISA口座の開設はスマートフォンで可能な金融機関もいくつかあります。金融機関の窓口に行く時間が取りにくい方にはうれしいところですね。
新NISAは少額からスタートでき、非課税で長期の投資ができる投資の新しい選択肢。つみたて投資枠は毎月コツコツと積立てができるので、年齢や性別にかかわらず、将来の資産形成のために、初めての投資として挑戦してみることも可能です。
つみたて投資やNISAなど、なんとなく難しいと感じていた方も、この記事を読んでより豊かな人生を歩むためのヒントにしてみてください。