首・肩・背中のこわばりが「肩こり」
肩こりが起こるのは、姿勢の悪さ、長時間の同じ姿勢、ストレス、眼精疲労など、日ごろの習慣が主な要因と言われています。これらの習慣は、肩とその周りの筋肉を緊張させ、血流を悪くさせ、痛みにつながっていくのです。
さらに、成人の頭の重さは5キロ前後あり、細い首1本で支えています。リンゴ飴のようにリンゴ(頭)を割り箸(首)で支えているとイメージすると、首にはかなりの負荷がかかっていることがわかるのではないでしょうか?人の体はもともと首や肩に負担がかかる構造になっているのです。
同じ姿勢を長時間続けない、目を休ませる、ストレスをためないといった生活習慣の改善は必要ですが、まずこの痛みをなんとかしたいですよね。
これからご紹介するのは、即効性が期待できる肩こり緩和のストレッチと、そのポイント。座っていても立っていてもできるので、ぜひ今日から始めて習慣にしていきましょう!
効果的なストレッチのコツ
ストレッチは、「必要な場所」に「適切な負荷」をかけることが、とても重要です。誤った方法だと、全く効かなかったり、筋を痛めたり、良いことがありません。でもご心配なく!効果的なストレッチは、難しくありません。
■肩こり解消ストレッチで意識することは3つ!
・痛くない範囲で止めること
・呼吸を止めないこと
・ゆっくりゆっくり行うこと
上記のポイントに注意して、次からのストレッチを試してみてくださいね!
「肩に痛みや重だるさ」を感じたら……2つのスグ軽ストレッチ
肩に痛みや重だるさを感じたら、まず試してほしい2つのストレッチです。30秒〜1分程度で終わる手軽さで、しかも即効性があります。「痛くない範囲で・呼吸を止めず・ゆっくりと」を意識してくださいね。
■肩をグーッと上げて、「1・2・3・4・ストン!」
長時間同じ姿勢でいて、知らないうちに力んでいた肩の力を抜くストレッチです。10回繰り返しましょう。
1:鼻で息を深く吸いながら、肩を耳につけるイメージでグーッと上げたら、「1・2・3・4」と数えます。
2:「5」でハッと口で息を吐き、同時に肩の力を抜きます。
■ぐるぐる回して肩甲骨ほぐし
次は、肩を大きく回して肩甲骨の周りを柔らかくしましょう。先で紹介したストレッチで肩周りをほぐしてから行うと、より効果的です。後ろに10回、前に10回行います。
1:背筋を伸ばして座り(または立ち)、両肩に親指以外の4本の指を乗せます。
2:指が肩から離れないように意識し(ここがポイント!)ながら、肘で大きく円を描くように、肩を後ろ回し×10回します。
3:同じように、肩を前回し×10回します。
寝る前におすすめ!首周り&背中ストレッチ
首は筋肉と神経が複雑に絡み合った繊細な場所なので、勢いをつけたり、無理に伸ばしたりは厳禁です。落ち着ける時にストレッチしましょう。寝る前や入浴後に、ゆったり深呼吸しながら行ってみてください。
■首の左右のストレッチ
1:イラストのように片方の手を、反対側の側頭部に添えて、首だけをゆっくりと引き寄せるように倒します。
2:上体が傾かないように気をつけて、左右15〜20秒×2セットを目安に行いましょう。
■首の前後のストレッチ
1:頭の後ろで両手を組んで、軽く押しながら、あごを胸につけるイメージで頭を下げます。上体が前かがみにならないように注意しましょう。
2:次に、あごをゆっくり上げて、首の前を伸ばします。大きく倒すと頚椎に負担がかかるので、首の力ではなく頭の重さを利用するイメージで行います。
3:各15秒×2セット行います。
やってみると確かに違う!疲れないスマートフォンの持ち方
最後に、ストレートネックの痛みを緩和するスマホの持ち方をご紹介します。ストレートネックとは頚椎(けいつい)の歪みのことで、スマホが普及するにつれて増加しているためスマホ首とも呼ばれています。
スマホを見るとき、多くの方はうつむきがちになり、首は前に突き出て、猫背になります。このような前傾姿勢で長時間過ごせば、痛くなるのも納得です。スマホを見る際には以下のような持ち方をすると、目線が上がり、首も無理のない位置におさまります。
■首を痛めないスマホの持ち方
1:首が突き出てない・うつむかないところまで、スマホの位置を上げる。目線と同じ高さで使うのがポイントです(横になって使うのはNG)。
2:スマホを持っている手の肘と体の間に、持っていないほうの手の甲を差し入れて支える。
ご紹介してきたストレッチは、即効性はもちろん、毎日の習慣にすることで肩の可動域が広がって、四十肩の予防や緩和が期待できます(ただし、四十肩がひどく痛むときは無理せず安静にしましょう)。
また、ゆっくりお風呂に入って全身の血流を促すのも、肩こり解消にとても有効です。温め効果の高まる入浴法もご紹介しているので、ぜひ参考にしてみてくださいね。