ガサガサかかと、放っておくとニオイ・かゆみの原因に
ガサガサかかとの正体は、古い角質がはがれずに蓄積した厚い皮膚。実は、足裏には汗を出す「汗腺」はあるのに、水分を保持するための皮脂を出す「皮脂腺」が存在しません。つまり、足裏はほかの体の部位よりも乾燥しやすい場所なのです。
そのうえ、夏のサンダル履き、汗蒸れ、秋冬の外気やエアコンによる乾燥、冷え、靴の圧迫による血行不良や摩擦など、足裏はほぼ1年中過酷な環境にさらされています。また、加齢によって皮膚の保水力が下がることも、乾燥が進む一因です。
■自然に治ることはなかなかない
一度かかとがガサガサになると、自然に良くなることはなかなかありません。進行するとかかとがひび割れたようになり、ひどい場合にはひび割れから出血してしまうことも……。さらに厚くなったかかとは白癬菌(はくせんきん:水虫)の温床となり、こちらは一度なってしまうと厄介です。そのため、ガサガサかかとはできるだけ早めにセルフケアする必要があります。
まずは、足裏の現状を確認しよう
かかとをケアするついでによく観察して、いまの足裏全体の状態を覚えておきましょう。現状を把握することで、ケア前と後の変化に気づきやすくなります。
■目と指を使ってチェック
目と手指を使って、以下のチェックポイントをおさえながら、足裏全体をくまなくチェックしましょう。
・かかと以外の場所にガサガサはないか?
・滑らかに見えて、触るとカサつきがある場所は?
・特に皮膚が厚いところはどこか(ガサガサ予備軍かも?)
・足の爪は滑らかで健康的な血色をしている?
・指と指の間に、皮膚のめくれはないか?
■足裏の色も見ておこう
また、足裏の健康状態を確認するうえで、皮膚の色も参考にできます。
かかとケアのキホンは「保湿」と「マッサージ」
足裏全体に言えることですが、乾燥しがちで血行不良になりやすいので、「保湿(=乾燥させない)」と「マッサージ(=血行促進)」がケアの基本です。ここでご紹介するセルフケアを、1日1回を目標に行ってみてください。早い方で、翌日から良い変化を感じるはずです。
ただし、これらのセルフケアを続けても改善しない場合は、水虫などの原因も考えられます。その場合は自己判断せずに、皮膚科を受診してくださいね。
■足裏は手のひらで洗う
皮膚が厚いからといって、ナイロンタオルなどでゴシゴシ洗うのはNGです。乾燥と角質の蓄積を進行させてしまいます。
泡立てた石けんを手にとって、マッサージするように洗いましょう。まずは手のひら全体を使って円を描くように足裏全体をソフトに洗い、手の指を使って足指や足指の間など細かい部分をやさしく洗っていきます。洗い終えたら、足指の間までしっかり水気を拭きとりましょう。
■お風呂上がりには保湿を忘れずに
フット専用の保湿アイテムもありますが、なければハンドクリームやボディクリームでもOK。足裏チェックをかねて、お風呂上がりに足の甲・足首・足裏に塗布しましょう。
ガサガサかかとや、カサつくところ、皮膚の厚いところは特に丁寧に。保湿後は滑りやすくなっているので、転倒しないように靴下やスリッパを履いて過ごします。そうすることで、床がクリームで汚れるのも防げますよ。
■マッサージはふくらはぎも含めて
マッサージは血行促進やむくみとりも狙って、ふくらはぎから足裏まで行います。手の親指の腹で指圧したり、アキレス腱をつまむように揉んだり、ふくらはぎを下から上へ揉みあげたりしていきましょう。お風呂上がりや靴を脱いだ後、長時間の立ち・座り姿勢の後など、気がついた時に少しでもほぐせるよう、意識してみてください。
ツルツルかかとを維持するために
■普段から気をつけたいこと
かかとのセルフケアをはじめたら、効果がきちんと現れるように、普段から「乾燥」と「摩擦」を避けるようにしましょう。たとえば、足の小指・親指だけ強く当たったり足全体を圧迫したりするような合わない靴を履かない、長時間のお出かけ時にはサンダルやミュールを避けるなど、できるだけ足にやさしい環境で過ごしてくださいね。
また、素足は冷えと乾燥を招くので、日中はできるだけ靴下を履きましょう。
吸汗性としては、綿やシルクなどの天然素材のものが優れています。ただし、シルクは靴下として使うには摩擦に弱いため、日中用なら綿とシルクの混合生地や、吸汗性と速乾性に優れた麻と綿の混合生地を試してみてください。ちなみに、ナイロン素材は発色と肌触りが良いのがメリットですが、吸汗性が低い素材なので靴下にはあまり向かないと言えます。
■就寝時のポイント
就寝時にも靴下を履く場合は、履き口の締め付けがなく、かつ、ゆるめサイズを選びましょう。また、汗で蒸れたり汗冷えたりしないよう、吸汗と速乾を備えた素材が良いでしょう。「就寝用」と記載のある靴下は、たいてい締め付けない&蒸れにくいようになっています。就寝時なら靴による摩擦もないので、良質な100%シルクの靴下もおすすめできます。就寝時に靴下を履くと寝付きが悪い・暑くなるといったタイプの方は、無理に履かなくてもOKです。
足が冷える方にも、足に汗をかきやすい方にもおすすめしたいのが5本指の靴下です。指一本一本を包んでくれて、指の間もすぐに吸汗するので汗冷えも予防できるうえ、蒸れにくく雑菌の繁殖も抑えられるので、ニオイの発生を抑える効果も期待できます。履くのに慣れるまで時間がかかるかもしれませんが、ぜひ取り入れてみてくださいね。
かかとのガサガサは、早めにケアをはじめればそれだけ改善するのも早くなります。「保湿」と「マッサージ」をコツコツ続けて足裏美人になりましょう♪ また、足の冷えには「足湯」がとても効果的で、就寝前に入れば入眠効果もあります。こちらの記事も参考にしてみてくださいね。