冬の気分の落ち込みは「幸せホルモン」不足から?
■そもそも「幸せホルモン」とは?
脳内に分泌されるホルモンや神経伝達物質のうち、“喜び”や“やる気”など、人の感情や意欲に影響を与える物質があります。そのなかで幸福感を与えるのが「幸せホルモン」と呼ばれる物質です。
「幸せホルモン」としてよく挙げられるのは、ドーパミン、オキシトシン、セロトニンの3つ。今回は、日光に当たることによって脳内で生成される神経伝達物質「セロトニン」についてご紹介します。セロトニンは、自律神経のバランスを整え、精神を安定させるなどの働きがあるのです。
一方で、セロトニンが不足すると気分の落ち込みやだるさ、過眠、過食などに繋がります。
■冬に落ち込みやすくなる人は多い
冬になると気分が落ち込みやすくなったり、だるさを感じることが増えたり、やたらと眠ってしまったり、無意識に食べ過ぎてしまったりということはないでしょうか?それは、日の短い冬、日光に当たる時間が減ることで「幸せホルモン」が不足するからかもしれません。
こうした状態は、同じように日照時間が減る梅雨の時期にも見られます。女性ホルモンの分泌が減ることで、セロトニンも低下しがちになると言われますから、更年期世代も要注意です。
■日光以外に、食事で「幸せホルモン」を補う方法も
幸せホルモンことセロトニンを補うには、なにより日光に当たること。でも、そもそも日照時間が短い冬、仕事や家事に追われながらたっぷり日に当たる時間を取るのは、なかなか難しいですよね。そこでおすすめなのが、食事で「セロトニンを作る材料」となる成分を補う方法です。
次に、「幸せホルモン」を補うことができる食材について、見ていきましょう。
「お肉を食べると幸せに」も「幸せホルモン」が関係している
■お肉には「幸せホルモンの材料」が豊富に含まれている
牛肉・鶏肉には脳内でセロトニンを作る材料となる「トリプトファン」が豊富に含まれています。さらに、ごちそうが多い肉料理のイメージも手伝って、いまや「お肉を食べると幸せホルモンが増える」ことは広く知られるようになりました。
■お肉だけだと脂質などの摂り過ぎが気になる成分も
「お肉を食べれば良い」のであれば簡単!ですが、さすがに肉だけだと、脂質などの摂り過ぎが気になるのも確かです。
ここはぜひ、お肉以外の「幸せホルモン」食材も覚えて、バランスの良い「幸せ食生活」を目指しましょう!
肉だけじゃない!「幸せホルモン」不足を補うヘルシーな食材たち
■幸せホルモンの材料をダブルで含む「バナナ」
バナナには、先ほど登場したトリプトファンと同じく、セロトニンの材料となるビタミンB6が含まれています。体内の塩分量を調整してくれて、不足すると食欲不振や脱力感などを招くカリウムが多いのも、バナナの特徴です。ビタミンをしっかり摂るためにも加熱処理などせず、ぜひ生食しましょう。
おすすめメニューはカットバナナのヨーグルト添え。実はヨーグルトなどの乳製品にも、トリプトファンが多く含まれているのです。
■「青魚」中心の和定食には幸せホルモンがいっぱい
サンマ、イワシ、カツオ、サバ、マグロなどの青魚はセロトニンの材料となるビタミンB6が豊富な食材です。脳の働きを活性化するDHA、血中コレステロール値を下げるEPAなど、「積極的に摂りたい脂」が多いのもうれしいところ。
おすすめメニューは焼き魚、煮魚、刺身など。白米、納豆や豆腐などトリプトファンの多い食材と組み合わせて、和定食にするとヘルシーな上に幸せ度アップ!です。
■食事もドリンクも、手軽でたんぱく質も摂れる「大豆製品」
トリプトファンに加えて、更年期世代に不足しがちな「たんぱく質」も豊富な大豆製品。豆乳や納豆など、調理なし・簡単調理で食べられる食材が多いので手軽に取り入れられます。
おすすめメニューは、ホワイトチョコやコーヒーを加えるアレンジも楽しいホット豆乳に、豆腐グラタン。温かいメニューでほっこり幸せになりましょう。
■カルシウムなどの栄養も補える「乳製品・卵」
乳製品にはトリプトファンに加えてカルシウムがたっぷり含まれますし、卵にもトリプトファンだけでなく、ビタミン類がバランス良く含まれています。
おすすめメニューは同じくトリプトファンが多い鶏むね肉と乳製品・卵を組み合わせるチーズ入りの鶏むね肉のピカタや、チーズ入りの親子丼。定番の玉ねぎだけでなく、キノコやトマトなども加えてヘルシーに仕上げましょう。
今回は「幸せホルモンを増やす食材」をご紹介してきましたが、「食べていれば日光を浴びなくてもOK」というわけではありません。忙しい毎日ではありますが、天気の良い日は屋外へ出て歩くなど、「日光浴」も意識して、内からも外からも「幸せホルモン」を増やしていきましょう!