ホールフードとは?
ホールフードとは、「まるごと食べる」という意味で、野菜や果物の実の部分だけではなく、皮や葉などの部分も捨てずに食べようという考え方です。日頃捨ててしまう部分には実はさまざま栄養素が含まれており、余すことなく体内へ摂り入れられます。さらに食材をムダなく活用できるので食品ロスの削減にもつながると言われており、環境問題が取り上げられる現代において注目される、体にも地球にも優しい食べ方です。
捨てたらモッタイナイ!
普段、調理の際に野菜や果物の皮や葉を捨てている方は多いのではないでしょうか?しかし、野菜や果物の皮や葉、根にはたくさんの栄養素が含まれています。
■ニンジンやカボチャ、ジャガイモなどに多く含まれる「ビタミン類」
野菜や果物の皮や葉には、特にビタミンA・C・B群が多く含まれています。ビタミンAは目の健康に働きかけ、ビタミンCは美肌づくりの強い味方に。ビタミンB群は体の代謝を助ける働きをします。
ただし、ジャガイモの芽には「ソラニン」と呼ばれる有害物質が含まれているので、芽の処理は丁寧に行いましょう。また、皮や葉の残留農薬が気になるという方は、しっかり洗ったり、茹でたり蒸したりすることで、残留農薬を減らすことができます。オーガニック栽培や自然農法などの野菜を選ぶのも良いでしょう。
■ナスやトマト、パプリカなどに多く含まれる「フィトケミカル」
ナスやトマトに含まれるフィトケミカルとは、色素・香り・辛味・あくなどの成分。野菜・果物・豆類・芋類・海藻、お茶やハーブなど、多くの食品に含まれています。たとえば「イソフラボン」、「カテキン」といった成分もフィトケミカルの一種です。抗酸化作用が高いので、老化予防・代謝の促進・免疫力の強化や美肌への効果もあり「第7の栄養素」とも言われている注目の成分です。
■ごぼうやサツマイモなどに多く含まれる「食物繊維」
多くの食物繊維が含まれているごぼうやサツマイモの皮は、腸内環境を整え、便秘解消に役立ちます。さらに糖や脂質の吸収も抑えてくれるので、ダイエット中の方にとっては強い味方に!
ただし、消化に少し時間がかかるため、胃腸の調子が悪い方は控えたほうが良いでしょう。
おうちで簡単!ホールフードの楽しみ方
ホールフードをご家庭で取り入れるのは、意外と簡単。料理のレパートリーも増えて、節約にもなるのでおすすめです。
■野菜の皮や葉はみそ汁やスープに
大根・カブ・ジャガイモなどの皮や葉は、いつもの食べる部分と合わせて、みそ汁やスープに利用できます。煮込むことで甘みが増し、葉を入れることで彩りも良くなり、栄養満点の具だくさんスープになりますよ。
■硬めの皮はきんぴらに
ごぼうとニンジンのきんぴらも、皮を剥かずにそのまま調理しましょう。しっかり火を通せば硬さも気になりません。また、大根やカブ、レンコンの皮もきんぴらにすれば、おいしく食べることができます。
■スイカの皮もお漬物に
スイカや大根、カブの皮は、お漬物にしてみましょう。塩を振ってタッパーなどで寝かせるだけでもできますし、醤油や浅漬けのもとなどを使っても簡単においしく作れます。また、大根やカブの葉も漬ければ柔らかくなるので、食べやすくなります。
■アスパラガスの皮はかき揚げに
アスパラガスの根に近い部分の皮は、そのままだと筋っぽいですが、玉ねぎやニンジンなどと一緒にかき揚げにすることで、おいしく食べることができます。ほかにも、カボチャやサツマイモの皮もかき揚げにすると◎。いっそう甘みが増しますよ。
■果物は皮ごと食べたり、フルーツティーに
リンゴやキウイフルーツ、ブドウやミカンなどは、皮ごと食べるのがおすすめ。実だけを食べるよりも、驚くほど栄養価が高まります。
また、紅茶を入れる際に果物の皮をプラスすると、香りの良いフルーツティーが出来上がります。
そのままでは硬くて食べにくい野菜や果物の皮なども、調理次第でおいしくなります。加えて、実だけ食すよりも栄養があり、美容や健康にも効果があるとなれば、毎日の食事に取り入れたくなりますね。ぜひ、今日から取り入れてみてください♪