購入前に要チェック!日やけ止めの基礎知識
夏のスキンケアに欠かせない日やけ止め。紫外線から肌をしっかり守るには、「SPF」や「PA」の数値が高いものを選べば良い!と思っていませんか?数値の高さだけで選んでしまうと、肌に負担がかかりすぎてしまうことも……。日やけ止めは、生活シーンや自分の肌タイプに合わせて選ぶのが大切です。これから、日やけ止めを選ぶ際の基礎知識をご紹介していきます。
■SPFとは?
「SPF」は、「Sun Protection Factor(サンプロテクションファクター)」の略で、主に皮膚に赤く炎症を起こす紫外線B波(UV-B)をどの程度防止できるかを表した指数。何も塗らないで日差しを浴びた時に、肌が赤くなるまでにどのくらい時間がかかったかに対し、日やけ止めを塗った場合に、その時間が何倍引き伸ばせるかを表したのがSPF数値です。
「SPF」は、1~50までの数値で表され、「SPF50」を超える場合は「SPF50+」と表記されます。
■PAとは?
「PA」は、「Protection grade of UVA(プロテクショングレイドオブUVA)」の略で、短時間に皮膚をを黒くする紫外線A波(UV-A)を防ぐ指数。防止効果の程度は、PA+、PA++、PA+++、PA++++と、4段階に分類されます。+の数が多くなるほど、紫外線A波を防ぐ効果が高くなります。
■シーン別の数値目安は?
炎天下の海辺や雪山で浴びる紫外線と、通勤や買い物などの日常生活で浴びる紫外線の量や強さは、同じではありません。紫外線をしっかりと防ぐためには、下の表を目安にするのがおすすめです。また、日やけ止め効果のある化粧品を購入する際は、以下の2点に注意をしましょう。
・シーンに合わせた紫外線防止用化粧品を選ぶこと
・紫外線防止用化粧品の「SPF」や「PA」表示を確認して選ぶこと
出典:日本化粧品工業連合会編「紫外線防止用化粧品と紫外線防止効果」より
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紫外線吸収剤と紫外線散乱剤の違い
日やけ止めには、紫外線をカットするために「紫外線吸収剤」や「紫外線散乱剤」が使われています。2つの特徴を簡単に說明すると、「紫外線吸収剤」は使用感の良いものが多く、「紫外線散乱剤」は肌に優しいという利点があります。最近では、改良を重ねている商品も多いので、商品ごとの特徴や表示をチェックし、目的に合わせて上手に使い分けましょう。
■紫外線吸収剤
吸収した紫外線を熱や赤外線などのエネルギーに変化させて放出し、紫外線が皮膚の奥へ届くのを防ぎます。無色透明なので白浮きしなく、なめらかな塗り心地。紫外線吸収剤を使用した日やけ止めは、ケミカルタイプと呼ばれこともあります。
■紫外線散乱剤
紫外線を物理的な仕組みで反射・散乱させ、紫外線が肌に入り込むのを防ぎます。肌に負担が少なく、ノンケミカルタイプと呼ばれることもあります。白色の粉末を使用しているため、粉っぽさや白浮きを感じやすいのがデメリット。
日やけ止めの正しい塗り方
せっかく日やけ止めを使用しても、きちんと塗れていないと、適切な効果が発揮されません。正しい塗り方をマスターして、日やけ止めの効果を最大限に発揮させましょう。
■使用量を目安に十分な量を使う
もったいないからと少量しか塗らないのはNG!製品に記載されている使用量を守って、適正な量を塗ることが大切です。使用量が少ないと効果が発揮されません。
■ムラなく丁寧に塗る
適量を手に取って、少量ずつ肌に塗っていくのがポイントです。顔に塗る場合は、指先の腹を使い、均一になるように丁寧に塗るのがコツ。手のひら全体を使って塗ると、日やけ止めが残ってしまい、適切な量が塗れなくなってしまいます。また、マスクをする場合は、顔に塗った日やけ止めがしっかりと馴染んでからにしましょう。
■2~3時間おきに塗り直す
正しく塗れていても、汗や水で濡れた肌をタオルやハンカチで拭いたり、衣類と肌が擦れることで、日やけ止めは落ちてしまいます。2~3時間おきに、こまめに塗り直すことが重要です。塗り忘れが多い、耳の裏やうなじ、腕の後ろや足の甲なども、忘れずに塗り直しましょう。
■室内でも日やけ止めを塗りましょう!
紫外線は、窓ガラスを通しても入ってくるので、室内で過ごす時も日やけ止めを塗りましょう。また、在宅勤務が増えた今、紫外線だけでなくエイジングを加速させる「ブルーライト」や「近赤外線」の有害光線にも要注意。紫外線と有害光線の両方をブロックしてくれる日やけ止めを選ぶのがおすすめです。
日やけ止めをタイプ別で選ぶ!
日やけ止めには、いろいろなタイプがあります。使う部位やシーンに合わせて形状を選び、日やけ止めを使い分けることで、より効果的に紫外線をカットしましょう。
■クリームタイプ
肌への密着度に優れ、化粧下地として使用できるものが多いです。しっとりとしたテクスチャーで、乾燥しにくいのが◎。
■ミルクタイプ
なめらかなテクスチャーで、保湿力に優れているので乾燥が気になる時におすすめ。肌に優しいものが多く、伸びが良くて白浮きしにくいのが特徴です。
■スプレータイプ
塗り忘れがちな首の後ろ、背中や二の腕の裏などの手の届きづらい部分に塗ることができて便利。手も汚れず、外出先での付け直しが気軽にできます。また、髪の毛に使用できるものやストッキングの上から使えるものもあり、人気が高まっています。
■パウダータイプ
ルースパウダーやプレストパウダーのような感覚で使え、サラリとした付け心地。手軽に使え、メイク直しにも活躍。毛穴カバーやテカリを抑える効果が期待できるものもあります。
■ジェルタイプ
伸びやすく、幅広い範囲に塗りやすいので、ボディー用としてもおすすめ。軽い付け心地でベタつきが少ないので、着替える直前に塗っても、すぐに服を着ることができるのが魅力です。サッパリ派の方にピッタリです。
■スティックタイプ
固形状のバーになっている中身を、リップクリームのように繰り出して使うのが特徴。肌に直接塗るため、手が汚れず、サッと片手で塗り直せるのが魅力です。
帰宅後のアフターケア
「日やけ止めを正しく塗っているから、紫外線ケアは完璧!」と思っていたら大間違い!日やけ後のアフターケアを怠ってしまうと、秋の気配を感じる頃に、くすみ、ゴワつき、乾燥などの肌トラブルを起こしてしまうことに……。帰宅後のケアを徹底することで、紫外線ケアの効果を最大限に発揮させましょう。
■日やけ止めをしっかり落とす
日やけ止めをしっかりと落とさないと、ニキビや吹き出ものの原因に。石鹸で落とせるもの、クレンジングが必要なものなど、製品ごとに落とし方が記載されているので、必ず表記を確認しましょう。SPF値の高いものや、ウォータープルーフタイプの日やけ止めは、クレンジング力の高い「オイルクレンジング」を使うのがおすすめです。
■オイルクレンジングの正しい使い方
続いてオイルクレンジングを使用した洗顔方法をご紹介します。クレンジング後は、保湿ケアを忘れずに!
1:オイルクレンジングを手のひらに取り、肌になじませる
最初に皮脂の多いTゾーンにのせてから、次に両頬にのせます。くるくると円を描くように顔全体をマッサージしながらメイクとなじませます。特に皮膚の薄い目元は、擦らないように優しく丁寧になじませます。
2:水かぬるま湯ですすぎ、しっかりと保湿する
熱めのお湯ですすぐと、肌の油分まで落としてしまい、乾燥肌の原因に。水か32度程度のぬるま湯で、丁寧にすすぎましょう。触った時に、少し冷たいと感じる程度が32度の目安です。タオルで水滴を優しくふき取った後は、しっかりと保湿しましょう。お肌を鎮静してくれるローションやパックもおすすめです。
■氷や保冷剤などで肌のほてりを鎮める
海や山などのレジャーで強い日差しを浴びた日は、できるだけ早く肌の熱を鎮めることが肝心です。車で出かけるなら、クーラーボックスに氷や保冷剤を入れておくのがおすすめ。帰りの車中で、ほてりが気になる部分に氷や保冷剤を包んだ冷たいタオルをあて、肌のほてりを鎮めましょう。タオルの摩擦で肌にダメージを与えないように、優しくあててくださいね。
■抗酸化作用のある食材を摂る
紫外線を浴びると、肌内部に活性酸素と呼ばれる物質が発生します。活性酸素には、細胞を酸化させてしまう作用があり、これが肌老化の原因に……この酸化を食い止めてくれるのが、抗酸化物質です。
抗酸化作用のある代表的な食材は、ビタミンCが多く含まれるレモン、ピーマン、ブロッコリー、キウイ、ビタミンEが含まれるほうれん草、大豆、カボチャなど。そのほかにも、緑黄色野菜などに含まれるβカロテンやトマトなどに含まれるリコピンも効果的な食材です。毎日の食事に積極的に取り入れるようにしましょう。
大人の肌の紫外線対策は、日々の積み重ねが肝心です。日やけ止めを正しく使って、紫外線から肌をしっかり守りましょう。ただし、紫外線をブロックするだけでは完璧とは言えません。日やけ後のケアを行ってこそ、完璧な紫外線対策です。夏の肌ダメージを秋まで引きずらないためにも、帰宅後のアフターケアを習慣にしてくださいね!