そもそも「青汁」とは?
■実は、特に決められた原料はない
辞書によると、青汁は生の緑葉野菜のしぼり汁を指す言葉で、さまざまな野菜が使われており、逆に決められた原料などはありません。主原料としてよく用いられるのは次の3つの野菜です。
■栄養価が特に高く、バランス良好!「ケール」
ケールは緑葉野菜に限らず、野菜全体の中でも高い栄養価を誇り「野菜の王様」とも呼ばれています。健やかで美しいお肌を保つ、お通じ、血圧や生活習慣対策など多くの働きが期待できます。
本来は独特の強い苦みがある野菜で、青汁の飲みにくいイメージもその苦さに由来するとされていますが、加工技術が発達した近年では、ケールが主材料の青汁にも爽やかで飲みやすい味のものが多く見られます。また、苦みが少ない種類や、サラダ用ケールもあるので、生食でも栄養を効率良く摂取することもできます。
さらに、野菜の中ではカルシウムが多く含まれているケールですが、牛乳や小魚と比べると吸収率が低いので、青魚や干しきのこなど、カルシウムの吸収を助けるビタミンDが多い食材と組み合わせると良いでしょう。
■食物繊維が豊富「大麦若葉」
ほのかな甘みを持つ野菜です。食物繊維に富むことから、健やかで美しいお肌を保つ、お通じ、血圧対策、また赤血球の材料である鉄も豊富なことから、鉄分が不足気味の方の鉄分補給などが期待できます。
■ビタミンなど健康成分の多い「明日葉」
セリ科の野菜特有の爽やかな香りを持つ野菜です。食物繊維に富むことから健やかで美しいお肌を保つ、お通じ、またβカロテンによる抗酸化作用、カリウムが多いことからむくみ対策などが期待できます。
独特な風味がクセになる方も多く、天ぷらやナムルにアレンジするレシピもあります。
■昔ながらだけど食用としてはニューフェイス「桑の葉」
古くから蚕の飼料として栽培されてきた野菜ですが、栄養価の高さが注目され、近年食用されることが増えました。カルシウムや鉄分が豊富で、近年では血糖値上昇を抑える働きがあるのではないかとも言われています。
目的別!青汁の理想的な飲み方は?
青汁は薬のように「飲めばすぐ変化がある」というものではありません。まずは目的に合わせた飲み方を意識しながら、毎日続けてみること。飽きが来ないよう、ドリンクや食事でアレンジしても良いでしょう。
■栄養を効率良く&おなかをスッキリさせたいなら「朝、常温で」
朝は青汁の栄養が最も効率的に吸収されるタイミングです。ポイントは目覚めた直後、働き始めの内臓に負担をかけないよう、常温やぬるめの温度で飲むこと。牛乳で割ったり、フレンチトーストの卵液やホットケーキの生地に混ぜたりして朝食にしてもおいしいですよ。
ホット青汁にする場合は、お湯でサッと溶いてみてくださいね。ビタミンCなど熱に弱い栄養素が損なわれるので、鍋で煮るような温め方は避けましょう。
■食べ過ぎを防ぎたいなら「食事の前にゆっくり」
青汁をゆっくり飲むことであらかじめおなかを満たして、空腹感を抑えます。おなかにたまりやすいスムージーに混ぜて飲んだり、ポタージュスープに混ぜたりしてみましょう。
■青汁を摂る機会を増やすなら「食事のメニューに取り入れる」
飲む以外にもいろいろな方法で青汁を摂りたいなら、バジリコのようにパスタソースに混ぜたり、カレーの仕上げに混ぜてサグカレー(青菜のカレー)風にしたりと、食事のメニューに青汁を取り入れるのもおすすめです。抹茶のようにアイスやスイーツに振りかければ、甘いデザートにも野菜の栄養をプラスできます。
■良い睡眠の質のために「就寝2~3時間前に常温で」
ぐっすり眠りたいなら、睡眠中の水分・栄養分として青汁を飲んでおきましょう。寝る2~3時間前に常温やぬるめの温度でいただくのがおすすめ。ぬるめのホットミルクや豆乳に混ぜて、ラテのように飲むのも良いでしょう。
健康にも美容にもうれしい青汁ですが、ワルファリン(血液凝固阻止薬)の服用中は飲まないほうが良いとされています。血液を固まりにくくして血栓ができるのを防ぐワルファリンに対して、青汁には血液を固まりやすくするビタミンKが多く含まれている商品が多いため、薬の作用を弱めてしまうのです。
また、食物繊維の摂り過ぎによっておなかがゆるくなってしまうといったケースもありますから、体調と相談しながら自分のペースで続けていきましょう。
ご紹介してきたとおり、青汁は薬やサプリメントのようにただ飲むだけではなく、コーヒーやお茶と置き換えたり、食事に組み合わせたり、メニューに取り入れたりとさまざまな方法で摂ることができます。この記事をヒントに、ぜひ自分なりの飲み方やアレンジを探してみてくださいね。