最も登場回数が多いのは、セミフォーマル(準礼装)
フォーマルシーンといっても、最も求められる装いはフォーマル(正礼装)ではなく、セミフォーマル(準礼装)が多いでしょう。たとえば、ゲストとして出席する結婚式、披露宴、入学式、卒業式、記念式典、祝賀会といったような、「祝いの席」でかつ「主役が別にいる催し」の多くはセミフォーマルで伺うことになります。
入学式、卒業式、結婚式など、セミフォーマルのファッションポイント
慶事の場合、セミフォーマルの装いの大前提は、「主役より控えめで、かつ、お祝いや喜びの気持ちを表す」です。肌の露出は少なめに、ドレスコードがある場合はそちらに合わせつつ、派手過ぎて悪目立ちしないよう気をつけるのがポイント。
肩や背中が大きく開いている場合はショールやボレロ、ジャケットなどと合わせます。特に、学業に関連する慶事(入学式や卒業式など)のファッションは、肌の露出が少なく落ち着いた雰囲気のワンピースやパンツスーツを選ぶのが良いですね。
また、結婚式や入学式などで着用する上品な服装は「オケージョンスタイル」、「オケージョンコーデ」とも呼びます。幅広い用途で着用できるようなベーシックなタイプを一式持っていると便利。長時間座ってもシワになりにくい、洗濯機で洗濯できるなど、機能面もチェックして選んでみてください。
春の大事なイベントを華やかに装うオケージョンウェア。オンワード樫山と共同開発しました。体系カバーできる、大人女性のわがままを叶える一着です。
アクセサリーは、昼なら日差しをギラギラと反射しない小ぶりのもの、夜は会場に合わせた華やかさを意識するのがおすすめ。ストッキングの色はベージュを基本としながら、入学式・卒業式などは、透け感のあるブラックもOKです。
葬儀など弔事の「ブラックフォーマル」のギモン
ここで、ブラックフォーマルシーンによくある疑問についてまとめてみましたので、ぜひ参考にしてみてください。
■Q.バッグや靴は、革製品でもOK?
A.条件つきでOK!
葬儀において、革や毛皮を用いた装いは殺生をイメージするためNGとされてきましたが、時代が進んだ現代は革素材のバッグ・靴でも問題ありません。ただし、光沢をおさえたマットな黒革で、金属の留め具などが目立たないシンプルなデザインを選びましょう。
反対に、たとえフェイクであっても、ワニやヘビなどの型押しやファーで装飾されているものは避けるべきです。
■Q.冬でもストッキングを履くべき?
A.黒タイツでもOK。心配なら「葬儀用黒タイツ」を。
冬の葬儀会場は空調が効いていないことが多いもの。寒ければ黒タイツでも構いません。ご自身の体調や悼む気持ちを第一に、暖かい服装で参列しましょう。「フェイク黒ストッキング」、「葬儀用黒タイツ」と呼ばれる、肌が透けているように見えて、実は黒タイツというアイテムもあります。
■Q.アクセサリーはどんなものならOK?
A.つけるなら、ごくシンプルなパールがおすすめ
お持ちであればシンプルなパール(ホワイト、ピンク、グレー、ブラックいずれもOK)の一連ネックレス・イヤリングがおすすめです。2連ネックレスは「不幸が重なる」とされ、葬儀では避ける向きがあります。
また、新調してまで用意する必要はありませんが、パールは入学式・卒業式・結婚式など慶事でも活躍しますから、持っていると便利です。
常用しないアクセサリーをきれいな状態で保つ収納術については、こちらの記事も参考にしてみてくださいね。
また、「ブラックフォーマル」についての疑問に対して、プロの百貨店の方に回答いただいたインタビュー記事を公開しています。ぜひこちらも参考にしてみてくださいね。
フォーマルシーンの基本は、「主役に敬意を払うこと」、「お祝いや悼む気持ちを表現する」の2つです。さまざまなマナーがあって混乱しそうですが、迷ったらこの基本に立ち返ってみると分かりやすくなります。場の雰囲気に合わせて選んでみてくださいね。