秋冬は必須!加湿器を使うと良いことたくさん
■乾燥小じわ対策に!髪の乾燥も防ぐ
誰もが身に覚えのある、乾燥による肌や髪のトラブル。秋冬は湿度が低いうえに気温も低いため、栄養を体のすみずみまで運んでくれるはずの血行も悪くなりがちです。
美容にとって低い室温と湿度は大敵。加湿器とエアコンを上手に使って、室温・湿度を適度に保つことによって、肌や髪のカサつきや血行の悪さが軽減されます。ちなみに、静電気のあのイヤな「バチッ」も、湿度が保たれていると少なくなるのです。
■湿度が高いと、体感的に温かいと感じる
同じ室温で湿度が高い場合と低い場合を比べると、体感温度は1〜2℃違うといわれています。ジメジメした夏は本当に暑いのに、同じ気温でもカラッと晴れた日は不思議と暑さを感じません。これは、湿度が高いと温かく感じ、低いと涼しく感じる体感温度の仕組みのため。エアコンの設定温度を上げているのに寒い!という時は、加湿器で湿度を上げてみてください。
■風邪やインフルエンザなど、感染症の予防・対策に
空気を適切な湿度に保つことは、感染症対策として有力な方法のひとつです。風邪やインフルエンザ、新型コロナウイルスなどを含む飛沫やエアロゾルは、乾燥した空気中では水分蒸発が速く、マイクロ飛沫となって長時間空気中にいられるようになり、感染リスクが高まります。
ちなみに、厚生労働省の『接客業務における新型コロナウイルス感染予防・対策マニュアル』(※)では、感染予防・対策のために店内の湿度が40%以上になるように努めるとあります。もちろん、感染症は湿度だけが関係しているのではなく、空気の流れ、室温、人口密度といった環境面全般や、その人自身の免疫力や体力など、さまざまな要因が複雑に絡み合っています。湿度を保つことに加え、換気・手洗い・マスクなど複数の予防対策を生活に組み入れることが大切です。
※参照
厚生労働省 『職場における新型コロナウイルス感染予防・対策マニュアル シリーズ4 接客業務における新型コロナウイルス感染予防・対策マニュアル』
3.感染予防対策の方法 (3)職場環境の管理・改善 3 湿度管理
美肌のためには湿度50〜60%をキープ
感染症対策には湿度40%以上とお伝えしましたが、秋冬のお肌のために適切な湿度(※)は50〜60%と、もう少し高めです。
しかし、ここで注意しておきたいのが、これ以上湿度が高くなるとカビ・ダニが増えやすくなるということ。一方で低すぎてもお肌や髪の乾燥を招きます。衛生面でも美容面でも、湿度は高すぎず・低すぎずを維持しましょう。
※注釈
ふだん私たちが湿度という時には、「相対湿度」を指します。「相対湿度」は気温によって変化するので、夏の湿度50〜60%とは空気中の水分量が異なります。
置き場所、入れる水……加湿器、正しく使っている?
せっかく加湿器があるなら、効果的に使いたいものですよね。ここでは、意外と知らない方も多い、加湿器の正しい使い方をご紹介します。
■広い部屋では、できれば中央に配置
リビングなど広い部屋では隅っこに追いやりがちですが、高範囲をカバーするなら加湿器は部屋の中央に置きたいところ。エアコンやサーキュレーターなどの風があたる位置(風の通り道)ならより効果的です。
ただし、加湿器から出る蒸気はエアコンのセンサーに影響を与えるので、エアコンの直下に置くのは避けましょう。
■卓上タイプの加湿器は床に置かない
卓上タイプなどの小さい加湿器は、部屋全体を加湿するにはパワーが足りません。ですので、床に置いてしまうと、床に溜まっている冷たい空気に蒸気が触れてしまい、結露の原因になります。また、あくまでも卓上ですから、テーブルや机など、床よりも高い位置に置くことで活躍してくれます。
■ミネラルウォーターや浄水器の水は水垢の原因に、水道水が正解
ミネラルウォーターを使ったり、浄水器を通した水を使ったりするのは、おすすめできません。水道水には微量の塩素が含まれており、雑菌の繁殖を抑える働きがあるので、水道水をそのまま使うのが正解です。
一方で、ミネラルウォーターはミネラル分が多いので、水垢の原因に。また、浄水器を通した水は、塩素が除去されてしまうため、水道水と比べると雑菌が繁殖しやすいのです。
空気をキレイに保つため、1日1度は水を全て入れ替えて
加湿器は水を使うため、雑菌やカビが発生しやすい家電です。お手入れが正しくできていないと、雑菌やカビを部屋中に散布してしまうことにも……。ひどい時には肺炎を引き起こすこともあるので、清潔を心がけましょう。
毎日のメンテナンスとして、1日1度、水を全て捨ててから、水を入れ替えます。その際、タンクが取り外せるタイプなら、水を捨ててから、少量の水を入れて揺するようにしてすすいでまた捨てて、新しい水を入れるとなお良いです。取り換えるついでに指を使って本体やタンクにぬめりがないかもチェックしておきましょう。
水垢がついてしまったら、100円ショップなどで手に入るクエン酸粉末を水で溶いてクエン酸水を作り(クエン酸商品の裏面などをご確認ください)、使い古しの歯ブラシを浸してこすり洗いをするとキレイになります。週に一度行うのが理想的です。
美容のためにも健康のためにも、いまや暖房器具と加湿器は必須の組み合わせ。両方を上手に使えば、秋冬もぐっと快適に過ごせます。お肌にとっても室温と湿度はとても大切ですから、いつものスキンケアを活かすためにも、意識してみてくださいね。