江戸時代から愛される「甘酒」のすごい効果とは?
甘酒はお正月やひなまつりなどでいただく冬の飲み物というイメージがありますが、江戸時代においては疲労や夏バテを解消する飲み物として、特に夏に飲まれていました。しかし近年、甘酒の栄養や効果は、疲労回復やアンチエイジングに不可欠な抗酸化作用、さらに腸の善玉菌を増やすなど、一年中飲んでおきたい飲み物だということが分かってきました。それでは、それぞれの効果を見ていきましょう。
■美肌効果
甘酒には健康な髪や肌、粘膜を育てるビタミンB群が豊富。さらに、米麹甘酒にはビタミンCよりも抗酸化作用が高いとされるエルゴチオネインという成分が含まれています。
■腸内環境の改善
善玉菌を増やすグルコシルセラミドや、善玉菌のエサとなるオリゴ糖・食物繊維などが腸内環境を整えてくれるので、便秘・下痢・おなかの張りが気になる方にもおすすめ。お通じとお肌の状態は繋がっていますから、腸内環境が整えば肌荒れの改善も期待できます。
■疲労回復
ビタミンB群、各種ミネラル、アミノ酸、ブドウ糖など、疲労回復に貢献する栄養がたっぷり!甘酒が「飲む点滴」といわれる理由はここからです。特に脳のエネルギーとなれるのはブドウ糖だけですから、パソコン作業や勉強、会議などの疲れにもぴったり。もちろん肉体疲労にもおすすめです。
米麹・酒粕の甘酒の違い
甘酒は「酒粕で作った甘酒」、「米麹で作った甘酒」、「酒粕・米麹をブレンドして作った甘酒」の3種類があります。酒粕で作った甘酒は微量のアルコールが含まれていますから、妊娠中や授乳中、極端にお酒に弱い方、小さなお子さまは避けておきましょう。また、酒粕甘酒の多くは甘み付けに砂糖が入っています。
米麹・酒粕どちらで作った甘酒でも、前述した効能がありますが、以下のような違いがあります。
■米麹甘酒
ブドウ糖やオリゴ糖が豊富で、砂糖なしでも自然な甘みがあります。高い抗酸化作用を持つエルゴチオネインは米麹甘酒だけに含まれ、酒粕甘酒には含まれていません。
■酒粕甘酒
酒粕甘酒はたんぱく質・葉酸・ビタミンB群・食物繊維などが、米麹甘酒よりも豊富。栄養補給の点は米麹甘酒よりも優秀ではありますが、酒粕甘酒には微量のアルコールが含まれることや砂糖が添加されていることを踏まえて、ご自身の好みで選ぶと良いでしょう。
甘酒の効果的な飲み方
甘酒の効果を体感するには、1日コップ1〜2杯がおすすめ。栄養価が高く消化吸収も良いため、忙しい朝には朝食代わりとしても良いでしょう。一年を通した疲労回復・風邪予防の飲み物として最適です。
扱いやすい紙製パックや、1回分に小分けされたパック・缶がありますから、「手軽に飲めるなら続けたい!」という方はこうしたパッケージタイプを試してみてくださいね。
便秘解消や冷え解消が目的なら、ぜひ温めていただきましょう。冷たい飲食物は胃腸を冷やし、腸の働きを低下させてしまいます。特に秋冬はホットがおすすめです。
おいしく続けよう、甘酒アレンジ
毎日飲みたい甘酒だから、うれしい効能をプラスしてさらにおいしくする簡単アレンジはいかがですか?ここではいくつか甘酒のアレンジをご紹介します。お好みに合わせて分量を加減してみてくださいね。
■甘酒+生姜
甘酒コップ一杯にチューブ生姜大さじ1をプラス。生の生姜は末端まで血流を促してくれるので、手足が冷たい朝にぴったりです。電子レンジで温めて召し上がってください。
ちなみに、生の生姜は手足など身体の末端を温めるのが得意で、加熱した生姜は身体の内部を温めるのが得意です(10分程度の加熱が必要)。欲しい効能によって使い分けてみてくださいね。
冷え性を改善するには、「冷えにくい体質をつくる」ことも大切。こちらの記事では、冷えが原因の不調やつらさを予防する「温活」をご紹介しています。
■甘酒+豆乳
甘酒の甘さが苦手な方は、豆乳を加えてさっぱりさせましょう。豆乳は良質なたんぱく質を含むので、甘酒の疲労回復効果と相まって、特に運動前後のドリンクとして理想的。もちろん、大豆イソフラボンの美肌効果も期待したいですね。1:1でミックスしてみて、お好みの配分を探してみてください。
■甘酒+ヨーグルト
菌活・腸活中なら、甘酒1杯にヨーグルト大さじ2をプラス。植物性の発酵食である甘酒に、動物性の発酵食品を組み合わせることで、整腸効果UPが見込めます。食物繊維が豊富で消化も良いバナナと合わせれば、朝食代わりにも最適です。
調理が不要で、飲むだけでOKの甘酒は、現代の私たちにとっても大変優秀な飲み物。身体に良いことを始めたい、腸活が気になるけれど毎度の料理にまで気を使えない……そんな方でも毎日の生活に取り入れられます。米麹か酒粕か、メーカーによっても味わいや舌触りが異なりますから、いくつか試してみて、ご自身に合うものを続けてみてくださいね。