マスク生活の口呼吸が口臭の原因に
マスクの着用が一般的になってから、以前よりも自分の口臭が気になることはありませんか? 実はマスクそのものには口臭の原因はありません。軽度の口臭がもともとあり、「マスクで呼気がこもることにより、自身のニオイに気づいた」というのが的確です。
このタイプの口臭の原因として、最もよくあるのがドライマウス。マスクをしているとどうしても口呼吸になりがちで、口の中が乾燥します。ドライマウスの口内はニオイの元となる雑菌が繁殖しやすくなるうえ、唾液の抗菌作用が働きにくくなるため、虫歯や歯周病の原因にもなります。
ドライマウスの原因は、先に挙げた口呼吸のほか、自律神経の乱れ、ストレス、常用薬の副作用、噛む力の衰えなどさまざま。また、ホルモンバランスの乱れは自律神経の乱れにつながるため、特に女性は更年期に入ってからドライマウスを感じる方が多いようです。
鼻は天然の「加湿器」、意識的に鼻呼吸を
いつもは鼻で呼吸しているのに、マスクをすると口呼吸になっていませんか?鼻呼吸はドライマウス改善が期待できるだけでなく、ほかにも良いことがたくさん。たとえば鼻から吸った空気は鼻水によって加湿され、体に入る時にはなんと湿度90%以上にもなります。一方、口呼吸ではここまで湿度は上がりません。
乾燥した空気は風邪やインフルエンザの感染リスクを高めますから、天然の「加湿器」である鼻呼吸は感染症対策のひとつとしても有効です。
鼻呼吸はそのほか、鼻粘膜で細菌やウイルスをキャッチして、体への侵入を防ぐ「空気清浄機」の役割や、空気を温めて肺へ送る「エアコン」的な役割があります。健康維持のためにも、「いま、口で息してた!」と気づくたびに鼻呼吸に切り替える習慣をつけましょう。
ドライマウスにおすすめのマウスウォッシュと使い方
殺菌力の高いマウスウォッシュは口臭予防に効果大ですが、ささっと終わらせてしまっては十分な効果は得られません。パッケージに記載されている推奨時間(20秒〜60秒と、製品によって異なります)まで、ぶくぶくしましょう。頬を大きくふくらませたりしぼませたりすることを意識すると、口周りの運動にもなって一石二鳥です。
ドライマウスかな?と心当たりのある方におすすめなのは、口内乾燥の原因になるアルコールを配合していないノンアルコールタイプのマウスウォッシュです。また、睡眠時には唾液の分泌量が少なくなります。特に起床時に口内のねばつきを感じる方は、保湿成分が配合されたものを選んでみてください。
マスク着用時に口内乾燥が気になる方は、すすぎのいらないマウススプレーも活用すると良いでしょう。携帯できるタイプなら、外出先でも使えて便利です。
歯垢除去率20%アップ!「デンタルフロス」でスッキリ
虫歯・歯周病・口臭を予防するファーストステップは、歯垢をできるだけ落とすこと。歯ブラシだけを使った場合の歯垢除去率は約60%ですが、歯ブラシとデンタルフロスを併用することで約80%までアップするとされています。
歯垢は2~3日で固まりはじめて(石灰化)、ますます除去しにくくなります。週1〜2回でも効果があるので、時間に余裕のある夜の歯みがきの際にデンタルフロスも使いましょう。初めてなら、メーカーなどで公開している使い方動画をお手本にして真似してみてください。慣れてスムーズにできるようになったら、1日1回のデンタルフロスが理想です。
デンタルフロスの扱いが苦手な方は、指で持ちやすいホルダータイプや歯間に入りやすいワックス付きのデンタルフロスもあります。歯間が広めなところは、糸状のデンタルフロスよりも歯間ブラシのほうが効果的です。
たるみも改善!顔&舌の筋肉をほぐそう
人と話す機会が減ったり、無表情でいる時間が長くなったり……長引くマスク生活で、「顔がたるんだ気がする」、「老けたかも?」と感じることはないでしょうか?これは表情をあまり変えなくなったことによって、表情筋が凝り固まり、その下の脂肪も変化したためです。
表情筋が硬くなると頬や口角が下がりますし、そのうえ口元がゆるくなるので口呼吸になりがちです。逆に言えば、表情筋を鍛えればたるみと口臭、両方の改善が見込めるということ!ここでは、口周りにアプローチする簡単なトレーニングをご紹介します。
■凝り固まった表情筋をゆるめるマッサージ
まずは凝り固まった顔の筋肉をほぐしていきましょう。口を閉じて、舌を使って口角の内側&少し上をなぞり、小さなふくらみを探してみてください。ほうれい線と口角が交わるあたりにあるこのふくらみは、「口角結節(こうかくけっせつ)」と呼ばれる部位で、頬や口周りの筋肉、噛む筋肉など、多くの筋肉が交差している場所です。
1:指を口に入れて口角結節をつかんでください。つかんだ時に痛みがあれば、すでにコリが始まっているサインです。
2:強すぎない力で揺らしたり揉んだりして、痛みが和らぐまでほぐしていきましょう。ほぐす際にゴシゴシ摩擦しないよう注意してください。
3:片方1~2分を目安に、1日数回行います。
さらに、ほうれい線に沿うように親指を移動させてほぐしていくとより効果的ですよ。
■口周りのたるみがスッキリ!グルグル舌回し
一時期SNSなどで「顔がスッキリした」、「意外とキツイ」と話題になったトレーニングです。この舌回しは、口周りの筋肉が鍛えられるのはもちろん、唾液腺が刺激されて唾液が出てくる(1セットで実感できるはず!)ので、ドライマウスによる口臭の予防にもおすすめです。
1:口を閉じて、唇(内側)と歯の間に舌先を入れます。
2:歯の表面をなぞりながら円を描くように舌をグルグルと回します。
3:右回り20回、左回り20回で1セット。1日3セットが目標です。
口臭を改善することで、人と話す時も自然と笑顔になれそうですね。記事でご紹介したトレーニングは道具も不要なので、ぜひ今日から実践して顔のたるみもあわせて改善していきましょう!